
「子どもの偏食の対応が大変」「好き嫌いがあり、栄養が足りているか心配」と悩みを抱えている方はいませんか?
特に発達障害の子は偏食になりやすい傾向にあるといわれています。子どもの偏食の原因や対策、食事の工夫について札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンターなごみ」が解説します。
偏食は“わがまま”じゃない?発達障害との関係性

「好きなものしか食べない」「嫌いな野菜を口に入れない」など、発達障害のある子どもの食事に向き合う中で、偏食に悩む保護者の方は少なくありません。
子どもが特定の食材しか食べなかったり、新しい食べ物を極端に嫌がったりすると、「わがままなのかな?」「しつけの問題?」と不安になることもあるでしょう。
しかし、発達障害のある子どもに見られる偏食には、感覚過敏や特有のこだわりなど、本人の意思とは異なる理由が背景にあります。
まずはなぜ偏食になりやすいのか、詳しく紹介します。
感覚過敏・こだわりの強さが影響
発達障害のある子どもは複数の感覚に過敏な傾向があります。
たとえば、「音に敏感で咀嚼音が気になる」「皮膚の感触に敏感でぬるぬるしたものが苦手」といった感覚過敏の子もいるでしょう。
また、「こだわりの行動」が食事の場面にも表れることがあります。
食器の並べ方、食べる順番、毎日同じメニューといった“自分だけのルール”が崩れることが不安になり、食事を拒む場合があるのです。
このような状態は、本人が不安をコントロールするための行動であり、わがままを言いたいからというわけではありません。
発達障害の子どもにとって、単なる好き嫌いではなく、「不快な刺激を避ける」「自分のルールを守る」行為の可能性があるのです。
食感・匂い・見た目のNGが偏食を引き起こす
偏食の原因は、「味の好み」ではなく、特定の刺激への「拒否感」が原因の場合があります。
たとえば、トマトのぐにゃっとした食感、ピーマンの独特なにおい、白身魚の水っぽい質感など、「これが嫌」と感じる理由は味ではなく、身体が“受けつけない”反応をすることがあるのです。
また、見た目に強いこだわりがある子どもは、「野菜が混ざっている」「緑色が気持ち悪い」「いつもと形が違う」といった理由だけで食べられないことも少なくありません。
このような子ども自身が自分でも説明できない「NGポイント」があることが偏食の原因の一つといわれています。
自閉スペクトラム症(ASD)と偏食の関連性
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、他の子どもと比べて「偏食」の頻度が高く、長期化しやすい傾向にあるようです。
食事の場面では、ASDの子どもには以下のような特性が挙げられます。
- 毎日の食事は、いつも同じ流れや内容でないと落ち着かず、不安を感じやすい
- 味やにおいに敏感で、少しの刺激でも強く感じることがある
- 食材の形や色、盛りつけの順番などに強いこだわりがあり、変わると食べるのを嫌がる
「食事」は、栄養をとるための大切な行為ですが、ASDの子どもにとっては、ストレスが伴うこともあります。
偏食を改善するには、その子にどのような特性があるのかを見極め、対応法を考えていく必要があるでしょう。
偏食による栄養面の心配と対処法

偏食が続くと、好きなものだけを食べることで、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの重要な栄養素が不足するおそれがあります。
成長の遅れや免疫力の低下、体調不良などのリスクが高まる可能性があるでしょう。
ただし、偏食があるからといって無理に全てを食べさせることは避けたいですね。
子どもの感覚や気持ちに配慮しつつ、年齢に合わせて少しずつ食の幅を広げていきましょう。
年齢別|偏食のアプローチはある?
お子様が偏食の場合、どのように対応すればよいのか悩むこともあるでしょう。年齢別のアプローチの例を詳しく紹介します。
1歳
1歳は歩けるようになり、行動範囲が広がる時期でしょう。食べムラや好き嫌いも出てくることも考えられます。食事への「楽しさ」や「関心」を引き出す工夫が大切です。
家族と一緒に食べることで、「食べるのは楽しい」と感じられるようにする
- 食事時間は30〜40分を目安にし、だらだら食べを防ぐ
- しっかり身体を動かし、自然と空腹を感じるようにする
- 野菜や食材の話題、本、育てる体験などで興味を引き出す
- 子ども用の食器やキャラクタープレートで、見た目の楽しさをプラスする
偏食があっても、まずは「食べること=楽しい」と感じられるような関わりが大切です。
無理に食べさせようとせず、興味や安心感を抱けるように寄り添っていきましょう。
2歳
2歳頃になると、自我が芽生え、好き嫌いがはっきりしてくるでしょう。
口に入れるものを色・食感・見た目で選ぶ傾向が強くなるため、選べる楽しさを取り入れながらの対応を心がけましょう。
- 彩りや形の異なる食材を少しずつ並べ、子ども自身に「選んでもらう」機会を増やす
- 「好きなもの3:普通なもの5:苦手なもの2」といった比率を意識してお皿に盛る
- 食事以外の時間に身体をよく動かし、食欲のリズムを整える
- 無理に「一口だけ」と促すのではなく、まずは匂いをかぐ、触ってみるなど、段階的なステップから試す
味覚が発達する時期といわれているため、食事を選びながら楽しむ経験が偏食改善につながることが考えられます。
焦らず、少しずつ食べられるものを増やしていきましょう。
3歳
3歳頃は自立心が高まり、さまざまな事柄について「自分で決めたい」という気持ちが強くなってくる子もいるかもしれません。
食事へのこだわりが現れた時は、子ども自身が「食べてみようかな」と思えるように工夫してみましょう。
- 何を食べたいか聞き「選べる楽しさ」を取り入れて、主体的に食べる姿勢を促す
- 食べたくない理由に耳を傾け、「一口だけ」などの小さな挑戦から始める
- 食材の絵本を読み、興味を持てるような会話をしてみる
- 集中力の持続は30分程度を目安に、時間内で「楽しく食べる」経験を重ねる
子どものペースや好みを尊重しましょう。
好きなキャラクターなどのお皿を用意するなどの工夫を試してみるとよいかもしれません。
4歳以降
4歳以降は食の好みやこだわりがはっきりし、好き嫌いや「食べたくない」という意思を示すことも増えるかもしれません。
成長の一部として受け止め、焦らずに子どもの気持ちを尊重しましょう。
- 食器や盛り付けを工夫して食事の興味を引き出す
- 新しい食材は少量ずつ試し、子どもの反応を尊重する
- プレッシャーをかけず、食べることに関心を持てるよう遊び感覚を取り入れる
- 食事中は叱ることは避け、安心できる環境を作る
「今日はこれだけ食べられた」「少し新しいものを口にできた」などといった前進したことを見逃さず、成長を受け止める姿勢が大切です。
プレッシャーを感じないように成長を見守りましょう。
食べられる食材を軸に栄養を補う工夫
偏食による栄養不足が心配な場合、無理に新しい食材を増やそうとするよりも、まずは好んで食べられる食材を軸に栄養バランスを整えることが大切です。
好む食材を活用して、調理法や味付けを変えながらバリエーションを増やし、飽きずに食べ続けられる工夫をしましょう。
また、不足しやすい栄養素は、食べられる食材に混ぜ込んだり、ペースト状にしたりして食べやすい形で取り入れるのもよさそうです。
新しい食材は少量から挑戦してみましょう。
食べ慣れたものに少しずつ混ぜるなどの工夫をしてみることが大切です。
無理に食べさせないアプローチ
無理に食べさせようとすると、食事がストレスの源となり、さらに食べることへの拒否感が強まる可能性があります。
まずは、お子様がリラックスできる環境を整え、食事の時間を楽しいものと感じられるように工夫しましょう。
食事の際には、親子で一緒に食べる時間を大切にし、食事を楽しむ雰囲気を作ることが大切です。
焦らずに進めることが、食事に対する前向きな気持ちを育む鍵となります。
偏食への対応例と食事の工夫アイデア

偏食に悩む保護者の方の多くが、「どうしたら少しでも食べてくれるのか」と日々頭を悩ませていることでしょう。
続いては、偏食への対応例や家庭で取り入れやすいアイデアを紹介します。
食材の形状・温度・盛り付けの工夫
食べ物の印象は、見た目や温度だけでも大きく変わるでしょう。
たとえば、野菜が苦手なお子様でも、スティック状にカットしたにんじんや、ハート型に切ったきゅうりなどには興味を持ってくれることがあります。
また、スープ類は熱すぎると飲みにくさを感じるため、少し冷ましてちょうどよい温度にするだけでも受け入れやすくなります。
盛り付けでは、お皿の中に“虹”や“顔”などの形に配置することで、食事そのものが楽しい時間に変わることがあります。
子どもが食事を楽しめる工夫をしましょう。
無理なく試せる調理法(すりつぶす・混ぜる・見た目を変える)
子どもが苦手な食材に対しては、調理法を変えてみましょう。
- やわらかく茹でてすりつぶす
ポタージュやスープにすると、野菜の舌ざわりがなめらかになり、食べやすくなります。
- 果物と一緒にスムージーにする
ほうれん草やにんじんなども、バナナやりんごと合わせると野菜の風味が目立ちにくくなり、自然に飲めることがあります。
- 細かく刻んで料理に混ぜ込む
ハンバーグ、ミートソース、お好み焼きなどに混ぜることで、見た目や味の印象が変わり、抵抗が少なくなります。
- 揚げたり焼いたりして食感を変える
にんじんやかぼちゃを薄くスライスして素揚げにすると、カリッとした食感が楽しく、苦手意識がやわらぐ場合があります。
お子様が食事の時間が楽しみになるように、苦手な食材も「食べられた」という体験を少しずつ重ねられるとよいですね。
「まずは一口だけルール」などの段階的な試み
苦手な食材に向き合う時は、一度に克服しようとせず、少しずつ慣れていくことが大切です。
「まずは一口だけ食べてみよう」というルールは、挑戦へのハードルを下げ、できたという自信につながります。
また、一口食べられた日はカレンダーにシールを貼るなどして、目に見える達成感を取り入れます。
気が進まない日は無理をせず、その子のペースに合わせて進めることで、少しずつ「食べてみようかな」という気持ちが育てましょう。
保護者や支援者が気をつけたい接し方

食事に関する関わり方は、子どもの「食べる意欲」に大きな影響を与えます。
ここからは、保護者や支援者が意識したいポイントを見ていきましょう。
否定・叱責は逆効果
「どうして食べられないの?」「いい加減にしなさい」といった否定的な言葉は、子どもの不安や抵抗感を強めてしまいます。
叱られることで食事そのものが苦痛になり、ますます食べる意欲が低下することもあります。
大切なのは、今の気持ちや状態を否定せずに受け止めることです。
「今日は無理だったね」「食べようとしてくれてありがとう」と、安心感を伝える声かけが、子どもの心をほぐす第一歩になります。
「成功体験」を重ねる言葉がけの工夫
少しでも食べられた時や、スプーンを使って食べられた時などは、言葉でしっかり褒めたり、認めたりしましょう。
「一口でもがんばったね」「ホークで上手に食べられたね」といった前向きな声かけを重ねることで、子ども自身が「できた」と感じられる経験が増えていきます。
こうした体験が少しずつ食への抵抗感をやわらげ、食への意欲につながっていくでしょう。
専門機関や栄養士との連携も視野に
食の悩みを抱えたり、家庭や保育現場での対応に限界を感じたりした場合は、ひとりで抱え込まずに、専門機関や管理栄養士に相談することも一つの方法です。
感覚の過敏さや発達の特性が関係している場合もあるため、早めに専門家の視点を取り入れることで、より適切で安心できる支援につながることがあります。
食べることを強制するのではなく、「その子に合った方法」を一緒に考えていくために、専門家の意見を求めることも考えてみましょう。
偏食は成長とともに変化する
子どもの偏食は、成長の過程で変化していくことが考えられます。
幼児期には食べ物の好き嫌いが多くても、学齢期や思春期になるにつれて自然に改善する場合も少なくありません。
幼児期→学齢期→思春期の変化
幼児期は味覚が敏感で、新しい食材を受け入れにくい時期です。
そのため、好きなものだけを選んで食べる偏食が目立つこともあるでしょう。
しかし、学齢期に入ると、友だちの影響や学校給食の経験を通じて、食べられるものが増えていく傾向があります。
また、思春期になると、自己主張が強くなり、食の好みが変わることもあります。
なお、この時期は体型や健康への意識が高まるため、極端な食事制限などには注意が必要です。
偏食についても心や身体の変化に寄り添いながら、対応を考えていきましょう。
無理に治そうとしすぎない姿勢も大切
偏食を早く直したい気持ちは強いものの、無理に改善を急ぐことは逆効果になることがあります。
子どもにとって食事は、単なる栄養補給だけでなく、安心感や楽しさを感じる大切な時間です。
嫌いなものを無理に食べさせようとすると、食事そのものがストレスになり、ますます食べることに抵抗を感じるようになるかもしれません。
大切なのは、子どもの気持ちを尊重し、少しずつ新しい食材に触れる機会を増やしていくことです。
まとめ:焦らず、少しずつ。“その子なりの食”を見守って
偏食は成長とともに変わることが多く、一朝一夕で解決できるものではないでしょう。
子ども一人ひとりに合ったペースで、無理なく少しずつ食べられる食材や量を増やしていくことが大切です。
また、食事の時間を楽しく安心できる場にすることを心がけ、叱ったり急かしたりするよりも、できたことを認めてほめる声かけを重ね、子どもの自信や意欲を育んでいきましょう。
お子様の発達に関して気になることがあれば、札幌市清田区里塚の児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」へぜひご相談ください。
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