
お子さまの発達の遅れや偏りが気になり「発達障がいかもしれない」と悩む親御さまへ向けて
札幌市清田区里塚にある「こどもデイサービスセンター なごみ」が、0歳〜中学生までの年齢別で感じる発達障がいの特徴について、解説していきます。
発達障がいは脳の障がいで、「自分だけの努力ではどうすることもできない。」ということを理解することが大切です。
年齢ごとの特徴もご紹介していますので、悩んだときの目安にお使いください。特徴を理解し、時には専門家の力も借りながら、お子さまと向き合っていってくださいね。
0歳児の発達障がいの特徴
0歳から特性が出るのは、発達障がいの中でも自閉スペクトラム症(ASD)という種類の発達障がいが多いと言われますが、判断はなかなか難しいところ。自閉スペクトラム症(ASD)の診断は、2歳以降になってからがほとんどだからです。
この頃の、成長スピードは個人差が大きく、自閉スペクトラム症(ASD)のような行動が見られても、発達が追いついて特徴が気にならなくなることもあります。
特徴を知り、気になるところをメモしておくことは、お子さまの理解にはとてもよいことです。時間が解決してくれることもあるので、様子をみてあげてくださいね。
- ひとりでいても、泣かない
- あやしても、あまり笑わない
- 目が合わない、反応がない
- なかなか寝ない、すぐ目が覚める
- 泣いたときは激しい、いつまでも泣き止まない
- 抱っこを嫌がる
1歳児の発達障がいの特徴
1歳児もまた、成長は個人差が大きいので、あくまで目安です。
1歳から特徴が出るのは、発達障がいの中でも自閉スペクトラム症(ASD)という種類の発達障がいです。
例えば、かんしゃくで悩んでいる場合、言葉が発達することで解決することもあります。
1歳児はこれから言葉を習得していく時期です。感情を言葉で、伝えられるようになっていけば、不安が解消する場合もあります。言語発達は、1歳半までに3〜4個の単語を話し始める子が増えてきます。
特徴を知って、お子さまの良いところをみつけ、ポジティブな言葉のシャワーを浴びせてくださいね!
- 目が合わない
- 言葉がでない
- 名前を呼んでも反応がない
- 長時間、親がいなくても泣かない
- (おもちゃなど)ひとつのもに執着する
- なかなか寝ない、すぐ目が覚める
2歳児の発達障がいの特徴
2歳頃になると「ちょっと変っているな?」と親御さまが感じ始める人もいらっしゃるかもしれません。また、1歳6ヶ月検診で、気になる点を指摘され、気になり始める方もいるのではないでしょうか。
2歳頃になると、「ブーブーきた」「ワンワンいる」など二言語文が話せるようになり、歩くことも上手にできるようになったりと、周囲との異なる行動が目立ってくる時期でもあります。
しかし、まだまだ発達の個人差が大きい時期なので、目安として考えてください。
特徴を知って気になる事があるときは、医師や専門家に相談することが大切です。
- 言葉に遅れがある
- 決まった服やおもちゃに執着する
- 友達といるより、ひとりが好き
- 目が合わない
- 名前を呼んでも反応がない
- なかなか寝ない、すぐ目が覚める
- 偏食がある
3歳児・4歳児の発達障がいの特徴
3歳頃になると、幼稚園に通う子どもが増え、集団生活の中での困りごとや、周囲との違いが気になりはじめたという親御さんは多いのではないでしょうか。
3歳頃〜4歳頃になると、病院に相談にいって、発達障がいの診断がでることも多くあります。
自閉スペクトラム症(ASD)の診断の目安になる、「言葉の遅れ」については、3歳頃には「ブーブーきた」「ワンワンいる」などの2語文を話せない子どもは少ないため、障がいによる「言葉の遅れ」と判断できるようになってきます。
また、「集団行動ができるか。」ということも1つの基準になります。
「他の子どもに興味を示さず、一人で遊ぶ。」「集団でのお遊戯活動を逃げだす。」なども発達障がいの1つのサインです。
落ち着きがないなど発達障がいの注意欠如・多動性障がい(ADHD)が早い段階から分かることもありますが、もう少し先の学習が始まる時期に分かる事が多いと言われています。
- 言葉の遅れが見られ、会話が成立しにくい
- 集団よりひとりを好む
- 感覚的な刺激(音や味など)に対して、強い拒否やこだわりをしめす
- 手順にこだわりがある
- なかなか寝ない、すぐ目が覚める
- じっとしていられない
- 集団生活になかなか馴染めない
- よく物を失くす
- いろいろな物やことに興味が移り変わる
- 感情をコントロールすることが難しい
3歳〜4歳頃は、まだ「読む」「書く」「計算する」などの能力に関係する発達障がい、学習障がい(LD)の特徴は見られにくいです。
5歳児・6歳児の発達障がいの特徴
5歳頃になると、年中〜年長になり、小学校入学が近づいてきます。
これまでに比べて、さらに身体的・精神的な成長が見られ、言葉の遅れ、友だちとのトラブル、こだわりにより生活に支障が出るなど、悩みを感じる機会も増えてくる時期です。
障がい、注意欠如多動症(ADHD)の特徴チェックリストを紹介していますので、ぜひご活用ください。
親御さまに悩みがあるのであれば、一度、専門機関の窓口に相談してみるのもおすすめです。
- 言葉の遅れが見られ、会話が成立しにくい
- 集団よりひとりを好む
- 行事への参加が難しい
- 勝ち負けや順位・独自のルールへのこだわりが強い
- 表情などから相手の気持ちを読み取ることが苦手
- 冗談や曖昧な表現が理解できない
- 活動から活動への切り替えが苦手
- 特定の刺激に敏感、または鈍感
- なかなか寝ない、すぐ目が覚める
- じっとしていられない。ウロウロしてしまう
- 集団生活になかなか馴染めない
- よく物を失くす
- いろいろな物やことに興味が移り変わる
- 感情をコントロールすることが難しい
- 友達とトラブルなどが明らかに多い
- 道路に突然飛び出すなど危ない行動がみられる
- 自分の思い通りにならないことがあると、激しい癇癪(かんしゃく)や乱暴な行動を起こす
5歳頃〜6歳頃の就学前の段階で、学習障がい(LD)を特定するのはまだ難しいですが、
- 言葉の発達や遅れ
- 手先が不器用で工作用の道具をうまく使えない
- 運動が苦手
- スキップができない
などの特徴がみられる場合、後になって学習障がい(LD)が判明するケースがあります。
小学生の発達障がいの特徴
小学校では集団で活動する機会が多く、学習も始まり机に座っている時間も保育園や幼稚園の時にくらべ長くなることで、目立たなかった特性が表面化してくることがあります。
「毎日友達とのトラブルがあり叱ってばかり」「勉強にまったくついていけてなさそう」「忘れ物ばっかり」など、親御さんの困りごとも一気に増える時期。
小学校低学年
定型発達だけど経験が足りずできないのか、それとも、発達の障がいで苦手に感じているのかが分かりにくいときです。
ついついできないことを叱ってしまいがちですが、子どものころに重ねた失敗体験は、自尊心に大きく影響します。叱るより、ほめることを意識的におこなうことはとても大切です。
小学校中学年
”9歳の壁”はご存知ですか?この時期は、多くの子どもが学習面・生活面・友人関係など「壁」にぶつかるとき。
学習も分数や小数など、どんどん難しくなってきます。ルールを決め守るといった集団での関わりも増えてきます。
親御さまに、学校であったことなど自分から話す機会も減ってくるので「気持ちの落ち込みがないか」など注意して見守ることが大切な時期です。
小学校高学年
自分のことを客観視する力がつきはじめる時期です。
発達障がいの特徴から、努力してもうまくいかないこともあるでしょう。
「自分はみんなよりできない。」など劣等感を感じてしまう場合もあります。
お子さま自身が、特徴を理解し、対処方法を学ぶことで、自分自身を大切にできるようにサポートしてあげてください。
- 相手の感情を読み取ることが苦手
- 同級生の友人が少ない
- どのように、なぜ?といった説明が苦手
- 他人の気持ちを想像したり言葉にするのが苦手
- 集団よりひとりを好む
- 急な予定変更が苦手で、臨機応変に対応ができない
- 特定の刺激に敏感、または鈍感
- いろいろな物やことに興味が移り変わる
- 注意力が散漫で、ケアレスミスが多い
- じっとしていられず、立ち歩いてしまう
- 集団生活になかなか馴染めない
- よく物を失くす
- いろいろな物やことに興味が移り変わる
- 感情をコントロールすることが難しく、友達とトラブルを起こしてしまう
- 自分の思い通りにならないことがあると、激しい癇癪(かんしゃく)や乱暴な行動を起こす
- 突然話しかけて、相手の人の邪魔をしてしまう
小学生|学習障がい(LD)の特徴
読むことやその内容を理解することが困難な読字障がい、書くことが困難な読字障がい、数の理解や計算が困難な算数障がいの大きく3つに分けて特徴を紹介していきます。
読字障がい
- 読んでいる文字や文章の意味を理解することが困難
- 音読が遅かったり、読み間違えたりする
- 文字や漢字を書くのに時間がかかる
- 自分の思いを相手に伝えることが苦手。
書字障がい
- 文字を書くことが苦手で鏡文字になることも多い。
- ね・わ・れなど形の似ている文字の区別がつきにくい
- 板書に時間がかかる
- 行やマス目からのはみ出したりと、文字の大きさがバラバラ
- 文字を書くのを嫌がる
算数障がい
- 数が数えられない
- 数の大きい小さいが分からない
- 計算ができない
- 九九が覚えられても使えない
- 繰り上がり・繰り下がりの計算が苦手
中学生の発達障がいの特徴
中学生になり思春期をむかえ、発達障がいに関係なく、中学生は多感で難しい時期です。
反抗期や不登校、勉強の遅れなど、環境が大きく変わることで親子共に小学生時代とは異なる困りごとや悩みが出てきているかもしれません。
学習面では、「中間・期末テスト」など定期テストが始まり、自身でスケジュールを立てて勉強しなければなりません。発達障がいの特徴を持つ場合、うまく計画を立てることができず、テストに苦手意識を持つことがあります。
環境面では、学校への行き方や朝起きる時間が変わることに慣れることが難しく、遅刻が多くなることがあります。また、小学生よりも、提出物や持ち物の自己管理が求められることが多いですが、管理が苦手なので忘れ物をしたりなくしたりが増えてきます。
人間関係面では、新しい人間関係がなかなか築けないことや、暗黙のルールがわからない、冗談が理解できないなどコミュニケーションを取ることに困難を感じる時期。
- 団体での行動や友だちとの会話が苦手
- 忘れ物が多い
- 朝起きられない
- 勉強についていけない
- 片付けが苦手
- 複数のことを同時進行することが困難
- 断ることが苦手
- 計画的に物事を進めることが苦手
- 学校行事に参加するのが苦手
- 体調不良を訴える
まとめ
生後すぐには気が付かないことが多く、2歳頃からだんだん集団でもコミュニケーションがとれないことから、発達障がいが気になり始めるかたも多いと言われています。
小学校就学前は、机に座る練習をしたりする中で落ち着きがないことがきになったり、小学生になったら学習面で極端で不得意なことが見つかったりと年齢によって、気が付きやすい時期が異なります。
是非、お子さまの年齢と前後の年齢の特徴をみて参考にしていただければ幸いです。
気になったら、1人で悩まず専門機関の窓口相談に行ってくださいね。はじめは親御さまだけで、相談にいってみることや、電話での無料相談を利用してみるのもおすすめです!
札幌市清田区里塚にある放課後等デイサービス「こどもディサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある小学校1年生から18歳まで「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子さまへのサポートをおこなっています。
作業療法士や専門家とのチームを組み、お子さまの個性に合わせた支援をすることを強みとしています。
不安を抱えた親御様たちの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。療育の体験をしていただくこともできます。お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。
「こどもデイサービスセンター なごみ」は親御さまを応援しています。
ご相談はこちら【参考資料:書籍】
『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本』田中康雄/監修、西東社/刊
『発達障害の基礎知識』宮尾 益知/監修、オーク発達サポート/取材協力、河出書房新社/刊