子どもの発達特性・発達障害の種類ごとの特徴をわかりやすく紹介します。

お子さまの成長について、ふと「発達に遅れがあるのではないか?」と不安に感じ、「発達障がいってどんな種類があるのかな?」と疑問を持たれている親御さまに向けて

今回は発達障がいの種類・特徴・接し方を知って理解を深められるように、札幌市清田区里塚の「こどもディサービスセンター なごみ」が種類について詳しく解説していきます。

お子さまの個性や成長過程を理解し、適切なサポートをすることは、発達障がいを持つお子さまが自分らしく成長していくためにとても大切なことです。この記事が、親御さまの不安解消や、お子さまとの接し方のヒントとなることを願っています。

発達障がいの主な3つの種類を知って理解を深めよう!

発達障がいの主な3つの種類を知って理解を深めよう!

発達障がいは大きく分けて自閉スペクトラム症(ASD)・注意欠如・多動症(ADHD)・学習障がい(LD)の3種類に分類されます。

知的な障がいが伴う場合もありますし、伴わない場合もあります。

障がいに気づき、療育などの支援をうけることで、社会的ルールを覚え適応する能力が身に付くと特性が目立たなくなってきます。

また、発達障がいの特性は、必ず1つというわけではなく、複数が重なっている場合も多くみられます。種類別の特徴を解説していきますので、参考にしていただけると嬉しいです。

発達障がいの原因についてはこちら

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)は、かつて「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」と呼ばれていた診断名が含まれています。

自閉スペクトラム症(ASD)の特徴

  • コミュニケーションがうまく取れない
  • 人との関わりが苦手
  • (物・事柄に)強いこだわりがある
  • 感覚が敏感、または鈍感など、感覚にかたよりがある

知的障がい(知的発達症)を伴うこともあります。
0歳から特徴があらわれる為、幼少期に気づかれることが多いといわれています。
症状のあらわれ方には個人差があり、就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。

自閉スペクトラム症(ASD)|関わり方のポイントをご紹介

言葉の遅れ

自閉スペクトラム症(ASD)は、言葉が出ないなど、言葉の発達が大きく遅れることが特徴の1つです。周囲の大人やお友達との言葉でやりとりをすることに難しさを感じます。自分の希望を伝えたり、相手が何をしてほしいのか理解することが苦手です。

関わり方のポイント
声がけはシンプルに、毎回同じ伝え方で
複数の指示はせず、短い文で指示は1つずつ伝えることがポイント!

かんしゃく

予期しないことがおきると、パニックになり、激しいかんしゃくを起こします。
ちょっとした変化でも不安や緊張を感じるため、いつも通りの行動ができるようにサポートしてください。

関わりのポイント
予定が変更になるときは、事前に丁寧に説明する。
パニックが起きたときは、静かな場所につれていき落ち着くまで待ちましょう。パニックがおさまったら「がまんできたね!」と伝え、叱らないことが大切です。

感覚過敏

  • 視覚過敏があると
    蛍光灯の光が気になる、教科書の文字のコントラストが刺激になる
  • 触覚過敏があると
    洋服のタグ、靴下や肌着の縫い目などが肌につくとヒリヒリしたり、痛みを感じたりする
  • 聴覚過敏があると
    人が沢山いる騒がしい場所では、たまらなくなって耳をふさぎ周りの音をシャットアウトしようとする

他にもさまざまな感覚過敏があります。

関わり方のポイント
落ち着ける、装飾のない静かなスペースを用意してあげる。
感覚過敏は、絶えず強い刺激を受けています。落ち着ける環境づくりが大切です!

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDは、注意欠如多動症とも呼ばれ、「多動性」「不注意」「衝動性」3つの特性がみられる発達障がいの一つです。
特性のあらわれ方はさまざまで、多動・衝動性の傾向が極端に強かったり、多動・衝動性と不注意の特徴が、同じ割合ででてくることもあります。

幼いお子さまにみられる特徴と似ているため、区別することが難しいですが、特徴は4歳〜7歳ころにはっきりしてくると言われています。

ADHDのお子さまは、明るく元気がよい子どもらしい子どもです。しかし特性上、叱られることが増えると、自信を失い、追い詰められてしまうことがあります。
ADHDの特徴は、自分でどうにかできるものではありません。親御さまや、先生は「何度伝えても直らない。」と悩むことがあるかもしれません。しかし、誰のせいでもありません。大切なのは、周囲の理解と配慮です。

注意欠如・多動症(ADHD)の主な3つの特徴

  • 多動性…じっと座っていられない、しゃべり続ける、話に割って入る
  • 不注意…物をなくす、計算ミスが多い、いつもぼーっとしている
  • 衝動性…順番が待てない、気になったら行動せずにはいられない、計画が苦手

注意欠如・多動症(ADHD)|関わり方のポイントをご紹介

忘れ物が目立つ

忘れ物することが多く、片付けや整理整頓も苦手。「ものをどこにしまったか忘れる。」「約束や課題の締切を忘れる。」など周囲から叱られることが多くなりがちです。

関わり方のポイント
一緒に忘れ物がないかチェックしよう
忘れ物をしないように、自ら注意するということは難しいです。一緒に忘れ物がないか確認を繰り返しましょう。根気が必要です!

我慢ができず、じっと座っていることが難しい。

じっと座ることや、順番を待つことが苦痛で、動き出してしまいます。
行動が自分でコントロールできず、刺激に敏感ですぐ気が散ってしまいます。

関わり方のポイント
役割を与えて動けるように工夫しよう!
プリントを配ってもらう、人数を数えてもらう、物を取ってきてもらう、など動ける工夫をすると、ずっと座っていなくてもよいので、気持ちが落ち着きます。

学習障がい(LD)

学習障がい(LD)

学習障がい(LD)とは、知的な発達の遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうち、特定の課題の習得だけが、他に比べてうまくいかない状態です。

本格的な学習に入る小学生までは学習障がい(LD)は気づかれないことが多く、学習についての遅れが1〜2学年くらいあることが一般的です。
また、特定の分野を除けば発達の遅れがないため、「努力が足りない」「勉強不足」と誤解されやすく、支援の必要性が認知されにくですが、学年が上がるにつれて授業が難しくなり「自分はできない。」と劣等感を抱えやすくなります。

学習障がい(LD)に早く気づくことができれば、特性にあった学習の工夫をすることができ対策がとれます。次の特徴をチェックして、多く当てはまることがあれば、その特徴をメモし病院や、専門機関への受診や相談をおすすめします。

(LD)の主な3つの種類について

読字障がい(ディスレクシア)

  • 読んでいる文字や文章の意味を理解することが困難
  • 音読が遅かったり、読み間違えたりする
  • 文字や漢字を書くのに時間がかかる

書字障がい(ディスグラフィア)

  • 文字を書くことが苦手で鏡文字になることが多い
  • ね・わ・れなど形の似ている文字の区別がつきにくい
  • 板書に時間がかかる
  • 行やマス目からのはみ出したりと、文字の大きさがバラバラ
  • 文字を書くのを嫌がる

算数障がい(ディスカリキュリア)

  • 数が数えられない
  • 数の大きい小さいが分からない
  • 計算ができない
  • 九九が覚えられても使えない
  • 繰り上がり・繰り下がりの計算が苦手

学習障がい(LD)|関わり方のポイントをご紹介

読むことが苦手

読み間違いが多く、読むのが遅い。視覚過敏の影響で、読めたとしても非常に疲れてしまいます。

関わり方のポイント
読みやすくする工夫を!
下敷きで、読むところ以外を隠したり、タブレットの読み上げ機能を使うなどの対策を!

書くことが苦手

書くのに時間がかかるため、板書がけされてしまったり、長文がかけないので短文になりがちです。

関わり方のポイント
書かなくてよい工夫を!
板書をプリントにしてもらったり、黒板に書かれた内容をタブレットで撮影させてもらうなど、デジタル機器を使うのもおすすめです。

算数が苦手

数字の繰り上がりや繰り下がりを理解できなかったり、計算のミスが多かったりなど頑張ってもできない。

関わり方のポイント
障がいを理解することが大切!
できないことを何度も教え込むのではなく、その子の個性に合わせ根気よく向き合う必要があります。電卓など道具を使うことも1つです。

学習障がい(LD)は、パソコンやタブレットなどの電子機器を積極的に活用することがオススメです!

その他の発達障がい

トゥレット症も発達障がいに含まれます。
トゥレット症とは、まばたき・首振りなどの運動性チックと奇声や咳払いなどの音声チックの両方が重なった状態が1年以上にわたって持続し、かつ日常生活に支障をきたす症状です。

発達障がいは複数の特徴をあわせもつことがあります

自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)のどちらの特徴も持っているお子さまや自閉スペクトラム症(ASD)と学習障がい(LD)の特徴をあわせもっているお子さまもいます。

自閉スペクトラム症(ASD)・注意欠如・多動症(ADHD)・学習障がい(LD)は、特徴が重なり合うことも多く、診断が難しい障がいです。
どの発達障がいかということで支援をきめるのではなく、お子さまが困っていることに対して、サポートをしていくことがとても重要です。

まとめ

発達障がいの種類についてや、「お子さまはどんな事に困っているか」「どう接するとよいのか。」という事について具体的にお伝えしてきました。

発達障がいの特徴は十人十色です。そのため、必要なサポートもさまざまです。
一人一人の個性や能力に合わせた環境や関わりを考えていくことがとても大切になってきます。

一人で悩まず、お子さまに関わる人たちと情報を共有しながら、お子さまが「過ごしやすい」と思える環境を整えてあげてください。

札幌市清田区里塚にある放課後等デイサービス「こどもディサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある小学校1年生から18歳まで「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子さまへのサポートをおこなっています。

作業療法士や専門家とのチームを組み、お子さまの個性に合わせた支援をすることを強みとしています。

不安を抱えた親御様たちの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。療育の体験をしていただくこともできます。お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。

「こどもデイサービスセンター なごみ」は親御さまを応援しています。

ご相談はこちら

【参考資料:書籍】
『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本』田中康雄/監修、西東社/刊
『発達障害の基礎知識』宮尾 益知/監修、オーク発達サポート/取材協力、河出書房新社/刊

こんな記事も読まれています