グレーゾーンの療育は必要?迷える親が知っておくべきこと

「グレーゾーンの子どもでも、早く療育を受けたほうがいいって聞くけど、どんな効果があるの?」
そんな疑問をお持ちの親御さまも多いのではないでしょうか。

療育はグレーゾーンのお子さまにとっても、成長をサポートし、可能性を広げるための大切な鍵となるのです。

ただ、療育についてよく知らないままでは、どんな風に役立つのか、どこで相談すればいいのか、悩んでしまいますよね?

そこで今回は、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が、発達障がいグレーゾーンのお子さまにとって、なぜ療育が必要なのか、どんな効果が期待できるのかなどを解説していきます。さらに、専門機関での療育だけでなく、ご家庭でできる療育についてもご紹介。

グレーゾーンのお子さまへの理解が深まり、療育という選択肢が、お子さまにとってより楽しく、充実した毎日を送るための第一歩になると幸いです。

発達障がいのグレーゾーンとは?

発達障がいグレーゾーンとは、発達障がいの特性が一部見られるものの、はっきりとは診断されない状態です。しかし、グレーゾーンのお子さまは、発達に凸凹があり、日常生活で様々な困りごとを抱えています。

診断基準に当てはまらないことから、「大したことない」「時間が解決する」と軽く見られてしまうケースも少なくありません。このような誤解や適切なサポートの不足は、お子さまの自己肯定感を低下させ、強いストレスから精神疾患を併発したり、社会適応を困難にする問題行動につながる可能性もあります。

グレーゾーンでも療育受けれる?支援と相談先

発達障がいのグレーゾーンの診断は、専門の医師に判断してもらう必要があります。お子さまの場合は、児童精神科や小児神経科を受診しましょう。支援センターなどでは相談には乗ってもらえますが、診断はできません。

自治体の窓口で申請して「受給者証」を取得できれば、療育を受けることができます。また、お子さまの発達障がいが気になったときの相談先もご紹介します。ぜひご活用ください。

療育とは?

療育とは、発達障がいやグレーゾーンのお子さま一人ひとりの個性や成長に合わせて、今抱えている困りごとを解決し、将来、自分らしく生きていけるようにサポートするところです。

支援先と相談先

発達障がいのグレーゾーンのお子さまが受けられる支援と相談先を紹介していきます。

■児童発達支援

児童発達支援は、小学校に入る前の6歳までのお子さまが対象の施設です。発達が気になるお子さまや、障がいのあるお子さまが、日常生活で必要な力をつけるためのサポートを受けられます。

具体的には

  • 体幹トレーニングや運動プログラム
  • 言葉が遅い、コミュニケーションが苦手な子には、ことばや会話の練習
  • 集団行動が苦手な子には、お友達と仲良く遊ぶ練習

など、お子さま一人ひとりに合わせたさまざまなプログラムが用意されています。

児童発達支援を利用するには、お住まいの自治体に申請し、「通所受給者証」を取得する必要があります。

■放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、小学校から高校までのお子さまが対象の施設です。発達が気になるお子さまや、障がいのあるお子さまが、学校以外の場所で楽しく過ごしながら、色々な力を身につけるためのサポートを受けられます。

具体的には

  • 勉強が苦手な子には、ひらがなや計算のなどの学習のサポート
  • 地域のお祭りへ参加し、多くの人と交流する
  • みんなで一緒に工作やゲームなど行い、他の人との関わりを深める

など、お子さま一人ひとりの目標に合わせたさまざまなプログラムが用意されています。

放課後等デイサービスの利用は、児童発達支援センターと同じく、お住まいの自治体に申請し、「通所受給者証」を取得する必要があります。

■発達障がい者支援センター

発達障がいをもつ人とそのご家族が安心して暮らせるように地域の拠点として、ライフステージに合わせて、「相談支援」「発達支援」「就労支援」などを行ってくれます。
発達障がいについての情報を知りたい場合など、相談してみるのもよいかもしれません。電話相談も受付けてくれることもあります。

全国の施設一覧をご覧になりたい方は、下記のホームページをご参照ください。
発達障害者支援センター・一覧

■児童発達支援センター

児童発達支援とは、主に就学前のお子さまを対象とした通所支援のひとつです。
相談窓口もあり、必要に応じて関係機関と連携をとってお子さまとそのご家族に対する支援を行なってくれます。

■児童相談所

児童相談所は、18歳未満の子どもに関する相談を受付けており、本人やご家族はもちろん、18歳未満の子どもに関することであれば、学校の先生や地域の住民の方などでも相談することができます。療育手帳の判定や交付も児童相談所で行っています。

■保健センター

保健センターは、赤ちゃんから大人まで、地域住民に対して保健サービスを提供している施設です。専門の保健師さんが、悩みや不安を丁寧に聞いてくれ、必要に応じて発達検査や療育についてもアドバイスしてくれます。

グレーゾーンのお子さまにも療育は必要なのか

グレーゾーンのお子さまにとって、療育は本当に必要なのでしょうか?
結論から言うと、療育はグレーゾーンのお子さまにとっても非常に大切なサポートです。その理由について解説していきます。

なぜグレーゾーンに療育が必要なの?

グレーゾーンのお子さまは、「まだ小さいから」「そのうちできるようになる」と見なされ、必要なサポートや介入が遅れてしまうことがあります。しかし、グレーゾーンのお子さまも、特性による生きづらさを感じているのです。

療育では、お子さまの特性を理解し、その子に合った対処法を学ぶことができます。自分の特性と向き合うことは、お子さまの成長にとって、とても大切なことです。
お子さまの困りごとに早く気づき、適切なサポートを受けられるように、早めの療育が重要なのです。

早めに療育を受けるメリット

日々頑張っている親御さまにとって、いち早く寄り添えるのが、早く療育を受ける一番のメリットだと考えています。発達に特性のあるお子さまを育てる中で、日々奮闘し、途方に暮れてしまうこともあるのではないでしょうか?療育に通うことで、専門家と一緒に具体的にどうすれば良いか相談できたり、心強いサポートが受けられます。

そして、グレーゾーンのお子さまは、療育を受けることで、お子さまの今抱えている困りごとに対し、さまざまな方法で自分らしく生きていけるようにサポートし、お子さまの生きづらさを和らげてくれます。

お子さまにとっても、親御さまにとっても、早く療育を受けるメリットは大きいと言えるでしょう。

二次障がいの予防になる

二次障がいとは、周囲の理解不足や否定的な対応によって、過度なストレスがかかり、「気分の落ち込み」「精神疾患の発症」「引きこもり」「不登校」「暴力などの問題行動」などが引き起こされることを指します。

二次障がいは、周囲の理解と適切な支援によって予防することができます。療育は、お子さまが困難によってストレスをため込まないようにサポートすることで、二次障がいの予防に繋がります。
お子さまがつらい思いをしないように、療育でサポートを受けることは、とても大切です。

療育を受けるとどのような効果がある?

療育の効果は、お子さま一人ひとりの状況や目標、プログラムの内容、そして療育の時間や頻度によって大きく異なります。

例えば、療育を通して、食事や排泄、身支度といった日常生活に必要なスキルを身につけたり、言語能力や運動能力、認知能力の発達を促すことで、社会の中で円滑にコミュニケーションをとれるようになったりすることもあります。挨拶や受け答えができるようになったり、他者の表情や感情を理解できるようになったりするなど、その効果は多岐にわたります。

療育現場では、お子さま一人ひとりの個性や発達段階に合わせたプログラムが提供されます。そのため、苦手なことを克服できなくても、得意なことを伸ばすことで、苦手な部分をカバーできるようになることもあります。
できることが増え、得意なことがさらに伸びることで、お子さまの自己肯定感を高めることにもつながります。グレーゾーンのお子さまの中には、周囲と同じようにできないことに劣等感を抱きやすい子もいますが、療育を通して自己肯定感を育むことができるのです。

家庭でできる療育

家庭でもできる療育もたくさんあります。お子さまの成長を促し、親子の絆を深める家庭でもできる療育を3つご紹介していきます。

1、一緒に料理

料理は、指先を細かく動かす作業が多く、脳に良い刺激を与えるため、家庭でできる療育にぴったりです。ゆで卵の殻むきやレタスのちぎり、野菜洗いなど簡単なものから始め、慣れてきたら野菜の皮むきや、材料を切ったり炒めたりするなど、少しずつステップアップしていきましょう。

料理は、指先を動かすだけでなく、「見てまねる」「覚えたことを実践する」といった能力も養うことができます。親子で一緒に楽しみながら、お子さまの成長を促しましょう。

2、一緒に絵を描く

絵を描くことも、料理と同じように手先を使うため、家庭での療育におすすめです。鉛筆と紙で手軽にお絵描きしたり、絵の具を使ったり、ちぎり絵に挑戦したり、さまざまな方法で楽しめます。絵の具を手や足に塗ってスタンプ遊びをするのもおすすめです。

3、一緒に運動する

身体を動かすことが苦手なお子さまは、親御さまと一緒に楽しみながら運動することがおすすめです。療育では、体を動かして脳に刺激を与えることが重要だと言われています。YouTubeなどを活用して、リズム体操や体幹トレーニングを親子で一緒に楽しむのも良いでしょう。

体操は、「音楽に合わせて動く」「見てまねる」ことで、身体の使い方を理解するのに役立ちます。運動が苦手なお子さまは、脳と身体の連携がうまく取れていないことが原因である場合もあります。体操は、脳と身体の感覚を統合するのにおすすめの運動です。

療育機関で学んだことを家庭でも実践したり、子どもの興味や関心に合わせた遊びを取り入れたりすることで、療育の効果を高めることができます。

療育を受ける上での注意点と心構え

療育を検討する上で、知っておきたい注意点と心構えを2つご紹介します。専門家と親御さまの協力によって、お子さまは着実に成長していきます。

① 長い目で発達を見守ってください
お子さまの発達は一人ひとり異なります。同じように育てても、同じように成長するとは限りません。療育を始めたからといって、すぐに困りごとが解消するわけではなく、目に見えて効果が出ることの方が少ないということを覚えておきましょう。
発達はゆっくりと進んでいくものであり、目立っている苦手な部分がすぐには改善されないこともあります。焦らず、お子さまのペースに合わせて、長い目で成長を見守ることが大切です。

② 親御さまのサポートは不可欠です
親御さまのサポートは療育において欠かせないものです。お子さまとのコミュニケーション時間をしっかりと確保し、家庭でできる療育を実践するなど、お子さまの個性を理解し、生きやすい環境を整えることが大切です。専門家と連携し、家庭と療育施設が協力して、お子さまの成長をサポートしていきましょう。

まとめ

グレーゾーンだからといって、療育が必要ないわけではありません。療育は、お子さまが自分らしく生きていくためのサポートであり、早期に始めることで、より良い効果が期待できます。

家庭でもできる療育はたくさんあります。お子さまの状況に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみましょう。

療育は、お子さまだけでなく、親御さまにとっても心強い味方です。一人で悩まず、療育を提供している施設やお住まいの自治体に相談し、お子さまにとって最適な療育を見つけましょう。

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