学習障がい(限局性学習症、LD)や自閉スペクトラム症(ASD)を含めた発達障がいがあるお子さんにとって、「感覚統合療法」は重要なアプローチの一つです。
感覚統合療法では、作業療法士(OT)が、お子さまが興味を持って参加したくなるような「遊び」や「運動」を通して、感覚機能の未熟さや苦手部分を克服できるようサポートしていきます。
この記事では、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が、感覚統合療法について効果や具体的な内容をわかりやすくご紹介します。
感覚統合とは
感覚統合療法とは、学習障がい(限局性学習症、LD)やASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)を含めた発達障がいがあるお子さまへのリハビリテーションの一つです。
人間には全部で7つの「感覚」があります。
- 触覚・視覚・聴覚・味覚・嗅覚(五覚)
- 固有受容覚(手足の状態、筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)
- 前庭覚(身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚)
絶えずさまざまな感覚器官から入ってくる感覚を、きちんと分類したり整理したりする脳の機能のことを「統合」と呼びます。
感覚統合療法の効果
感覚統合療法を受けると、お子さまの生活が変わり、色々なことができるようになることが多くあります。
具体的には下記のような効果が感じられます。
- 運動能力の向上
- 集中力の改善
- 学習への取り組み方の変化
- 社会的スキルの向上
例えば文字を書くのが苦手だったお子さまが、筆圧のコントロールが改善されて書字が上手になるケースや、コミュニケーションが苦手なお子さまが周囲の刺激に対する耐性が高まり、友達との遊びを楽しめるようになることです。
改善したことで子どもたちの自信を高め、新しい学習や社会参加の機会を広げる効果があります。
感覚がうまく使われていないときの特性(症状)
「感覚」「統合」がうまく行かないと、下記の症状が見られます。
- 感覚が過敏に働き集中すべきことに集中できない
- 他の感覚のコントロールができず姿勢が保てない
- 感覚が鈍化したりするなどの症状が見られる
発達障がいのあるお子さまの場合、このような感覚の処理が苦手なことが多く、感覚統合療法でサポートしていきます。
感覚統合療法の具体的な内容
感覚統合療法では子どもが「楽しい」と思える遊びや運動を通して、触る・見る・聞く・動かすを意識しながら感覚を整理・統合する力を育て、日常生活をより楽しく過ごすサポートをします。
例えば、日々の活動や自宅遊びの中でも楽しく高めることができます。
【動かす】協調運動
トランポリン
跳ねることで下半身の筋力と協調性を高めます。エネルギーを発散
リズムあそび
リズムに合わせて体を動かす
マット登り
重ねたマットの上を登る。四肢を動かし、掴む力、登る力などを連動させる必要がある
【動かす・触る】感覚の発達に
ハンモック
固有覚「自分がどこにいるのか」と前提覚「自分がどこに行くのか」を触覚に働きかける
ハンモックは安全かつ楽しい方法で身体能力を向上させることができ、運動療育プログラムの重要な要素となっています。
【動かす】有酸素運動で酸素を取り込み全身を活性化
- 散歩(ウォーキング)
- エアロビクス
- 体操、など
全身が活性化してストレスの軽減・脳細胞の強化・集中力の向上・心身の安定・身体能力の向上が期待できます。
【触る・動かす】体のコントロール能力を高める運動
- 綱渡りゲーム(2本のロープを間隔をあけて置きはみ出さないように歩く)
- 色探しゲーム(指定した色を探し、手や足など決められた部位でタッチする)
指定した体の一部を集中して使うことを意識することで体をコントロールする力を育みます。
【動かす】バランス感覚を養う運動
- バランスボール(バランスボールに座って落ちないように跳ねる)
- ボール運び(コップの上にボールを置いて落とさないように進む)
体幹を鍛えつつバランス感覚を養うことができます。
【室内で】感覚統合の促進
- 花育(嗅覚・触覚で伝わる感覚刺激を取り入れる)
- ドッグセラピー・飼育(動物と触れ合ってリラックス効果を高める)
- 書道(大きい紙にのびのびと書き、筆圧のコントロール)
身近なペットや道具で感覚統合を促進するような遊びにつながります。
お子さまが楽しいと思える課題を用意し、楽しく感覚統合機能の発達を促していきましょう。
療育を行う中で感覚の調整や注意の向け方ができるようになり「自分の身体を把握する」「道具を使いこなす」「人とコミュニケーションをとる」など周囲の状況の把握とそれをふまえた行動ができるようになります。
【自宅で】ご家族と一緒に
ご家庭で取り組める活動もあって難しく考えず、普段の生活そのものが感覚統合と考えてください。お子さまが興味をもち「やりたい」と思う活動を無理せず、親御さんも一緒になって楽しめることが基本です。
公園で
遊具でブランコ・滑り台・シーソー(前庭刺激)やジャングルジム・ウンテイ(運動を組み立てる遊び、手足の協調運動や筋力を必要とする)・砂場や泥遊び(触覚)が遊んだり、体を動かすことが感覚統合につながっていきます。
自宅で
お風呂場で泡遊びや粘土遊び(触覚)や親子での体を使った活動やお買い物で荷物を持つなどのお手伝い(固有受容覚)なども感覚統合につながる遊びです。
感覚統合療法をしたいと思ったときにすること
感覚統合療法をしたいと思ったときに療育施設を選ぶ際は、児童発達支援に関わる専門家の作業療法士(OT:Occupational Therapist)が在籍している施設を選択しましょう。
作業療法士とは、食事や入浴、着替えなど日常生活に必要な動作の習得をめざす「からだ」のリハビリテーションと、精神的な健康を取り戻す「こころ」のリハビリテーションを専門とする職業です。
他にお住まいの地域の施設や子どもの特性に合った施設について、相談できる窓口を確認することがポイントです。
療育を実際に見学してみませんか
札幌市清田区里塚にある「こどもデイサービスセンター なごみ」をお子さまと一緒に見学してみませんか。
「なごみ」の療育は感覚統合療法のトランポリン、ハンモックなどで遊びながら感覚運動、書道、花育、ドッグセラピーを取り入れています。
発達障がいのあるお子さまは、専門的な機関で多様なプログラムに参加できます。
おうち遊びも大切な発達支援の機会です。お子さまと触れ合いながら、遊びの中に療育を取り入れてみませんか。
今回は札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が発達障がいのお子さまの「感覚統合療法」について紹介しました。
不安を抱えた親御さんの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。療育の体験をしていただくこともできますので、お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。
なごみの療育の様子はこちらからご覧になれます。
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