「小さな音でも耳を塞いでしまう」「騒がしい場所に行くと泣いてしまう」など、お子さまが音に敏感過ぎて困っていませんか?
それは「聴覚過敏」が原因かもしれません。
本記事では、聴覚過敏の原因や症状を分かりやすく解説し、家庭や学校での具体的な対処法を、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」がご紹介します。
お子さまの困りごとを理解し、サポートするためのヒントを見つけていきましょう。
聴覚過敏とは?
聴覚過敏とは、音に対して通常よりも強く反応してしまう状態を指します。
周囲の音が普通の音量でも非常に大きく聞こえ、不快感やストレスを引き起こすことがある症状が代表例です。
とくに小さなお子さまになるほど、感覚の違いを言葉でうまく伝えられず、耳をふさいだり泣き出したりすることで示すことが多くなります。
このような場合、親御さんもどうしたらよいか悩む場面が多いでしょう。
そんなときは、聴覚過敏の可能性に早めに気づき、対応することがとても大切です。
聴覚過敏の4つの原因
聴覚過敏にはさまざまな原因が考えられます。
耳そのものの機能に問題がある場合や、脳の感覚処理が関係する場合もあります。
ここでは主な原因を4つご紹介します。
1. 耳の機能のトラブル
耳の内部にある内耳や鼓膜の異常が原因で、音が通常よりも強く響いてしまうことがあります。
メニエール病や突発性難聴といった病気もこれに当たります。
病気による聴覚過敏が疑われる場合は、早期の診断と治療が重要です。
音に対するお子さんの反応が気になる場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
2. 脳の感覚処理の問題
脳が音を処理する際に過敏に反応し、普通の音を必要以上に大きく感じている可能性があります。
この原因としては、発達障がいや片頭痛、さらにはてんかんなどが挙げられるでしょう。
音の情報を脳がうまく整理できないことで、不快感やストレスが増してしまうことが特徴なので、耳鼻咽喉科で異常がない場合は神経内科や発達外来での相談がおすすめです。
3. ストレスや自律神経の乱れ
ストレスや疲れが原因で、自律神経のバランスが崩れると、音に対する過敏さが増すケースがあります。
たとえば、環境の変化や学校生活などでの緊張がきっかけとなる場合も多いです。
こうしたストレスによる聴覚過敏では、リラックスできる環境を整えたり、心療内科でのカウンセリングを活用したりしてみましょう。
4. 発達特性との関連
自閉スペクトラム症や注意欠如多動症など、発達特性を持つお子さまには感覚が特に敏感な傾向が見られることがあります。
このような特性による聴覚過敏では、とくに大きな音が苦痛に感じられるため、学校生活や集団活動で困難を感じることが多いです。
適切な支援や配慮が必要ですので、専門機関で相談しましょう。
聴覚過敏の症状と困りごと
聴覚過敏のお子さまには、日常生活・外出・集団生活の中でさまざまな困りごとが生じます。
ここでは主な症状とその影響について詳しく見ていきましょう。
1. 日常生活で生じる不快感
掃除機やドライヤーの音、食器が触れ合う音など、家庭内の何気ない音が強い不快感を引き起こすことがあります。
普通であれば気にならない音でも、聴覚過敏のお子さまにとっては大きなストレス源となってしまうのです。
これにより、「耳をふさぐ」「泣き出す」などの行動が見られる場合もあるでしょう。
まずは、家庭での音環境を見直すことが対策の第一歩です。
2. 外出時のストレス
ショッピングモールや駅といった人混みや雑音の多い場所では、ストレスが増してしまうことがあります。
とくに、予期せぬ大きな音や複数の音が重なる環境では、パニックを起こすこともあるでしょう。
このような状況が続くと、外出自体を避けるようになってしまうこともありますので、無理のない範囲での対応が必要です。
3. 集団生活
学校や保育園ではクラスのざわめきや授業中の物音に耐えられず、不安やイライラを感じることがあります。
その結果、集中力の低下や授業への参加が難しくなる場合もあるでしょう。
また、大きな音を避けるために行事や集団活動を嫌がることもあります。
集団の中でどうしたら過ごして行けるか、学校と親御さんで対策を考えていきましょう。
4. 睡眠障害
音が気になって眠れないことも、聴覚過敏の大きな影響の一つです。
たとえば、時計の秒針の音や外からの騒音が気になって寝付けなかったり、何度も目が覚めたりすることがあります。
これが続くと、疲労感や体調不良に繋がり、日中の活動にも影響を及ぼす可能性も。
睡眠時はとくに、静かな環境を整えることが大切です。
聴覚過敏のチェックリスト
- 掃除機や食器の音が嫌い
- 騒がしい場所で耳を塞ぐ
- 特定の音を聞くと泣き出す
- 大きな音がすると驚いてパニックになる
- 時計の秒針の音やエアコンの音が気になる
上記のうち3つ以上当てはまる場合、聴覚過敏の可能性があります。
また、どれか一つでも一時的ではなく、常に現れているようであれば専門家に相談してみても良いかもしれません。
相談することで、お子さまに合った適切な対処法やサポートを見つけられます。
早めに対応し、お子さまが少しでも安心して生活できる環境を整えることが大切です。
聴覚過敏は何科を受診すればいい?
聴覚過敏が疑われる場合、まずは耳鼻咽喉科を受診し、耳に異常がないか確認してください。
耳の問題が原因でない場合は、神経内科や心療内科を紹介されることもあります。
また、発達特性が関連している場合には、発達外来や児童精神科での相談がおすすめです。
お子さまの症状に合った専門科を受診し、適切な診断や治療・サポートを受けましょう。
まずは、気になったときに、早めに専門家に相談することが大切です。
聴覚過敏の子どものためにできる5つのこと
聴覚過敏のお子さまが安心して過ごせるように、家庭での工夫も大切です。
ここでは、親御さんが日常生活でできる具体的な対策をご紹介します。
1. 静かな環境を整える
お子さまが落ち着けるように、自宅ではできるだけ静かな空間を用意しましょう。
たとえば、遮音カーテンや防音材を使えば外からの騒音を軽減できます。
また、テレビや家電製品の音量を控えめにするなど、お子さまに合わせて音環境を整える工夫も大切です。
こうした配慮でお子さまも安心感を覚え、症状の落ち着きが期待できます。
2. 音を調整する道具を使う
ノイズキャンセリングイヤホンやイヤーマフは、不快な音を軽減するのに役立ちます。
とくに外出時や騒がしい場面では、これらのアイテムを活用して、お子さまが安心して過ごせる状態を作りましょう。
また、お子さまが好きな音楽や自然の音を聞かせてリラックスできる環境を作るのも効果的です。
3. 無理をさせない
お子さまが苦手な音がある場合は、無理をさせずにできる範囲で生活を調整することが大切です。
「どうしてダメなの?」と責めるのではなく、「どうしたら怖くないかな?」と一緒に考えてみてください。
お子さまのペースに寄り添いながら、安心できる日々をサポートしましょう。
4. リラックスできる時間を作る
聴覚過敏のお子さまには、ストレスを減らすためのリラックスタイムが必要です。
お気に入りの絵本をゆっくり読む時間や、静かな場所で自由に遊ぶ時間を取り入れてみましょう。
また、ぬいぐるみやクッションなど、お子さまが安心できるアイテムを用意するのもおすすめです。
音の多い環境から離れるリラックスの時間が、心の安定に役立ちます。
5、保育園、幼稚園や学校との連携する
家庭だけの関わりではなく、子どもが取り巻く環境への働きかけも大切です。
担任の先生に、お子さまがどのような音を苦手とするのかを具体的に伝えようにしましょう。
たとえば、「チャイムの音が苦手」や「ざわめきが気になる」など、日常で困りやすい場面を細かく共有しましょう。
騒がしい活動ではイヤーマフの使用をお願いしたり、席の配置を調整してもらうなど、配慮の相談をしてください。
また学校行事への参加については、お子さまの様子を見ながら無理のない範囲で試してみましょう。
まとめ
聴覚過敏のお子さまをサポートするためには、まず特性を理解し適切な環境を整えることが大切です。
無理をさせず、周囲と連携しながらお子さまが安心して過ごせる環境を作りましょう。
必要に応じて専門家に相談し、適切なアプローチを見つけてください。
親御さんが焦らずに、一緒のペースで進んでいくことも大切ですよ。
「こどもデイサービスセンター なごみ」では、療育体験も受付けております
札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
不安を抱えた親御さんの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。療育の体験をしていただくこともできますので、お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。
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