「まぶしい」「眩しくて目が開けられない」とお子さまが光を嫌がる場面はありませんか?
視覚過敏は、日常生活に影響を及ぼすこともあり、親御さんにとっても悩みの種になる場合があります。
本記事では、視覚過敏の原因や症状、家庭や学校での具体的な対処法を札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が解説。
親御さんができるサポート方法をご紹介します。
視覚過敏とは?
視覚過敏とは、光・色・文字情報などの視覚的な刺激に対して、通常よりも強く反応してしまう状態をいいます。
たとえば蛍光灯の光が眩しく感じたり、パソコンやテレビの画面が見づらくなることが特徴です。
お子さまの場合、これが原因で生活や学習に影響が出ることがあります。
学校での黒板の文字が見えにくかったり、眩しさで集中力が続かなかったりする場合もあるでしょう。
親御さんがこの特性を理解し、適切なサポートを行うことが重要です。
視覚過敏の4つの原因
視覚過敏にはさまざまな原因が考えられます。
ここでは、光への感受性の違いや発達特性との関連、ストレスや疾患がどのように影響するのかを解説。
それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。
1. 光への感受性の違い
視覚過敏は、目が光を処理する際に敏感に反応することで起こります。
とくにLEDライトや蛍光灯のような強い光は、まぶしさや不快感を引き起こしやすい特徴があります。
さらに、日光や車のヘッドライト、街中のネオンライトなども影響を与える場合があるでしょう。
こうした刺激が続くと視覚的な負担が大きくなり、ストレスを感じてしまいます。
生活の中での光量を調整し、お子さまが快適に過ごせる工夫が重要です。
2. 発達特性の影響
自閉スペクトラム症(ADS)や注意欠如多動症(ADHD)などの発達特性を持つお子さまには、感覚が過敏な傾向が見られることがあります。
その中で、視覚過敏が特に強く現れる場合も少なくありません。
たとえば、蛍光灯の光や鮮やかな色彩がストレスになる場合もあります。
このような場合には、発達特性に基づいた配慮やサポートを行い、生活環境を整えていきましょう。
3. ストレスや疲労
視覚過敏は、ストレスや疲労によって悪化することがあります。
体調が優れないときや精神的に疲れているときに、光や視覚的な刺激が強く感じられるケースも多いのです。
ストレス状態が続くと、症状がさらに強まることも。
できる限りストレスを軽減し目を休ませる時間を設けることで、お子さまの負担を軽減していきましょう。
4. その他の疾患や障害
眼疾患や脳の機能に関連する問題が、視覚過敏の原因となる場合があります。
緑内障や白内障といった目の疾患だけでなく、神経系の障害や脳卒中が関係している可能性も考えておきましょう。
症状が長引く場合は、眼科や神経内科で適切な診断を受け、早めの治療につなげることが大切です。
視覚過敏の症状と困りごと
視覚過敏があると、日常生活や学習、外出、集団生活など、さまざまな場面で困りごとが生じてきます。
ここでは、主な症状とその影響について詳しく見ていきましょう。
1. 日常生活で生じる不快感
視覚過敏は、蛍光灯や日光が眩しすぎて目を開けるのがつらくなったり、テレビやパソコンの画面がぼやけて見えたりすることで、日常生活に大きな支障をきたします。
リビングの照明が原因で家族との時間が過ごせなくなる、画面の光がまぶしすぎて学習用アプリや動画を使用できないといったケースも少なくありません。
こうしたお子さまには、生活の中で光の調整を工夫することが求められます。
2. 学習の困難さ
白いノートや黒板に書かれた文字が眩しく感じられたり、文字がぼやけて見えたり、歪んで見えることがあります。
そのため、学習内容を理解するのに時間がかかる、集中力が続かないといった困りごとにつながるケースも考えられます。
また、文字が見えにくいことが理由で、学習意欲が低下する場合もあるでしょう。
学習環境を整えるために、色付き下敷きや遮光眼鏡を活用するなどの対象を試していくことが大切です。
3. 外出時のストレス
日中の明るい光や反射光が強い環境では、不安やストレスを感じることが多くなります。
日差しが強い屋外では目を開けるのがつらく、周囲を十分に確認できなくなることもあるでしょう。
そのため、外出時にはサングラスや帽子を活用し、強い光から目を守る工夫が必要です。
また、視覚過敏の症状が外出への不安感を高めるケースもあるため、活動範囲を制限してしまわないような対策も求められます。
4. 集団生活
保育園や学校など視覚刺激が多い環境では、お子さまが活動に参加することを嫌がる場合があります。
教室の蛍光灯や窓から差し込む光が強いと感じることで、授業中に集中できなくなったり、行事やグループ活動を避けたりするケースもあるでしょう。
このような困りごとは、お子さまのストレスを増大させる原因にもなります。
環境調整や行動の工夫など、先生との細かい相談が重要です。
視覚過敏のチェックリスト
- 蛍光灯やLEDライトが眩しいと感じる
- ノートや本の文字がぼやけて見える
- 明るい場所で目を開けるのがつらい
- 反射光や白い背景が不快
- 見えにくさが原因で集中力が続かない
上記のうち3つ以上当てはまる場合、視覚過敏の可能性があります。
また、1つでも一時的ではなく続いていたり、極端な反応が見られる場合は、専門家に相談してみるのもおすすめです。
早めに対応することで、お子さまが快適に過ごせる環境を整えていきましょう。
視覚過敏は何科を受診すればいい?
視覚過敏が疑われる場合は、まずは眼科を受診し目の疾患や異常がないかを確認することが大切です。
眼科で異常が見つからなかった場合は、視覚過敏の原因として他の要因が考えられます。
その際は、小児科や発達外来、児童精神科での相談を受けましょう。
とくに発達特性が影響している場合には、発達特性を理解した医師からのアドバイスが役立ちます。
早めに専門家に相談し、お子さまの特性に合った対応を見つけることが重要です。
視覚過敏の子どものためにできる5つのこと
視覚過敏のお子さまが安心して過ごせるように、家庭での環境づくりが大切です。
ここでは、親御さんが日常生活で実践できる具体的な対策をご紹介します。
1. 照明や環境を整える
自宅では、蛍光灯を控えめな明るさに替えるなど、光の強さを調整することが重要です。
また、遮光カーテンを使用することで、室内の光を和らげてリラックスしやすい空間を作ることも試してみましょう。
テレビやパソコン画面の光が強い場合は、画面の明るさを調整するなどの工夫も効果的です。
お子さまが落ち着ける環境を整えることで、視覚的な負担を軽減していきましょう。
2. 遮光グラスや帽子を活用する
外出時には、遮光サングラスやつばの広い帽子を使うことで、強い日差しや反射光から目を守れます。
とくに日中の明るい時間帯に外出する際は、お子さまが不快に感じないアイテムを積極的に活用してください。
また、光が強い屋内施設でも、サングラスを持参しておくと安心です。
お子さま自身が選んだお気に入りのデザインを選ぶと、嫌がらずに使えるようになります。
3. 学習環境の工夫
白い紙や画面が眩しく感じる場合には、色付き下敷きをノートや教科書の下に敷くと見やすくなります。
また、ブルーライトカットメガネを使用すれば、パソコンやタブレットの画面の光を軽減できるでしょう。
そのほかにも学習机に外の光が当たらないよう配置を変えるなどすることで、お子さまが学習に集中しやすい環境を整えることが大切です。
4. リラックスできる時間を作る
視覚過敏があるお子さまには、目を休める時間を意識的に作ることが大切です。
静かな部屋で音楽を聞くなど、お子さまが好きな活動を通じてリラックスする時間を設けましょう。
また、外出後や光を多く浴びた後には、目を閉じて休む時間を取ることで、ストレスを減らし、気持ちを落ち着かせられます。
5、保育園、幼稚園や学校との連携する
保育園や学校での対応をスムーズにするために、担任の先生にお子さまが苦手とする視覚刺激を具体的に伝えることが重要です。
たとえば、外の光が眩しい場合には教室のカーテンを閉めてもらう、窓際の席を避けるといった環境調整を依頼しましょう。
また、必要であれば遮光サングラスや帽子の使用を認めてもらうことも効果的です。
行事や活動への参加については、お子さまの負担を軽減するために、無理のない範囲での対応を相談すると良いでしょう。
まとめ
視覚過敏のお子さまへの対応は、まず特性を理解し適切な環境を整えることが大切です。
親御さんが寄り添い、無理のないサポートを行うことでお子さまが安心して生活できるようになります。
必要に応じて専門家に相談し、生活をより快適にする方法を見つけていきましょう。
「こどもデイサービスセンター なごみ」では、療育体験も受付けております
札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
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