「ご飯の匂いを嫌がる」「柔軟剤の香りで気分が悪くなる」など、お子さまの嗅覚過敏に悩む親御さんもいるのではないでしょうか。
嗅覚過敏は、日々の生活や食事に影響を及ぼす場合があります。
本記事では、嗅覚過敏の原因や症状、家庭や学校でできる具体的な対策を札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が解説。
お子さまをサポートする方法を詳しくご紹介します。
嗅覚過敏とは?
嗅覚過敏とは、匂いに対して通常よりも敏感に反応してしまう状態を指します。
たとえば、普通なら気にならない香水や洗剤の匂いが不快に感じられたり、吐き気や頭痛を引き起こしたりするケースが見られます。
お子さまの場合、これが原因で食事や外出を嫌がることもあり、生活に支障をきたす場合も少なくありません。
親御さんが特性を理解し、適切な環境を整えることが大切です。
嗅覚過敏の4つの原因
嗅覚過敏にはさまざまな原因が関係しています。
ここでは、匂いを処理する感覚の過敏さや発達特性との関連、ストレスや病気の影響などそれぞれの要因を詳しく見ていきましょう。
1. 匂いを処理する感覚の過敏さ
嗅覚過敏は、匂いを脳で処理する際に過剰に反応してしまうことが原因になる場合があります。
そのため、香水・洗剤・食べ物などの匂いが通常よりも強く感じられ、不快感やストレスを引き起こすのです。
とくに匂いの濃い化学製品や食品が影響しやすく、日常生活に支障を与えることもあるため、匂いの少ない環境を整えることが重要になります。
2. 発達特性との関連
自閉スペクトラム症や注意欠如多動症といった発達特性を持つお子さまに、多く見られる特徴の一つとして嗅覚過敏が挙げられます。
こうしたお子さまは、他の感覚でも過敏になりやすく、匂いによるストレスが強く現れる場合もあるのです。
それぞれの特性に合わせた対応と、環境の調整が必要になります。
3. ストレスや疲労
ストレスや疲労が溜まると、自律神経のバランスが崩れ嗅覚が過敏になることがあります。
とくに体調が優れないときや精神的に不安定なときには、普段は気にならない匂いに敏感に反応することも。
休息やストレスの軽減を心がけることで、症状が和らぐケースもあります。
4. 病気や身体の異常
耳鼻科疾患や神経系の異常が原因で、嗅覚過敏が現れる場合があります。
たとえば、副鼻腔炎や脳に関連する神経の問題が、匂いへの過敏さを引き起こすのです。
これらの症状が疑われる場合は、適切な診断を受け早めに治療をおこないましょう。
嗅覚過敏の症状と困りごと
嗅覚過敏のお子さまには、日常生活のさまざまな場面で困りごとが生じることがあります。
ここでは、食事・外出・集団生活・健康面での影響について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 食事時の対応
食べ物の匂いが不快に感じられ、食欲が低下する場合があります。
特定の食品や調味料を避けようとすることも多く、食事が偏ってしまうこともあるでしょう。
これが原因で栄養バランスが崩れ、健康面に影響が出る可能性があるため、食卓に並べる料理や食材を工夫し、匂いの少ないものを選ぶことが大切です。
2. 外出時のストレス
柔軟剤や香水、飲食店の匂いが強い場所では、不安やストレスが強くなります。
とくに人が多い場所では、匂いが重なり合い過敏さが増してしまうことがあるでしょう。
その結果、外出自体を嫌がるようになるケースもあります。
マスクを使用したり、短時間の外出を心がけたりするなどの工夫をおこないましょう。
3. 集団生活での困りごと
学校や保育園で、給食の匂いが気になり集中できない・教室内に使用される消臭剤や周りの子の服の香りを嫌がるといった場合があります。
これにより、集団活動や授業への参加が難しくなることもあるでしょう。
先生と親御さんが連携し、環境を調整することが重要です。
4. 健康面への影響
匂いによる頭痛や吐き気、倦怠感が続く場合があります。
これが原因で体調を崩し、学校や保育園を休むことが増える可能性もでてきます。
慢性的な体調不良を防ぐためには、匂いの強い環境を避けたり、適切な医療機関を受診したりすることが大切です。
嗅覚過敏のチェックリスト
- 食事中に匂いを嫌がる
- 特定の柔軟剤や香水が不快
- 公共の場所での匂いに敏感
- 匂いを嗅ぐと頭痛や吐き気がする
上記のうち2つ以上当てはまる場合、嗅覚過敏の可能性があります。
また、1つでも一時的ではなく続いていたり、極端に反応する場合は専門家に相談してみるのがおすすめです。
適切な診断と対応で、お子さまが快適に過ごせる環境を整えましょう。
嗅覚過敏は何科を受診すればいい?
嗅覚過敏が疑われる場合、まずは耳鼻科を受診し、嗅覚を司る器官に異常がないか確認することが重要です。
耳鼻科での診察を受けた後、原因が見つからない場合や発達特性が関連している可能性がある場合は、小児科や心療内科、発達外来での相談をおすすめします。
とくに発達障がいとの関連が考えられる場合には、発達外来での専門的な診察が役立ちます。
早めに専門家に相談することで、適切な対応策を見つけていきましょう。
嗅覚過敏の子どものためにできる5つのこと
嗅覚過敏のお子さまには、生活の中でできるだけ負担を減らし、快適に過ごせる環境を整えることが大切です。
ここでは、家庭で実践できる具体的な対策を見ていきましょう。
1. 匂いの少ない環境を整える
自宅では、匂いの強い柔軟剤や洗剤を控え、香料の少ない製品を選ぶようにしましょう。
また、空気清浄機を使って部屋の空気を清潔に保つことも効果的です。
キッチンや浴室で発生する匂いにも注意を払い、換気をこまめに行うことも大切。
お子さまが過ごしやすい環境を整えることで、嗅覚過敏によるストレスを軽減できます。
2. 外出時の対策を工夫する
外出時にはマスクを活用し、嫌な匂いを遮る工夫をしましょう。
匂いの強い場所に長時間いる場合は休憩をこまめに取り、少しでも匂いの少ない空間に移動することを心がけてください。
また、お子さまが特に嫌がる場所や状況を事前に把握し、外出の計画を立てることで負担を減らせます。
3. 食事の工夫をする
食べ物の匂いが気になる場合は、匂いの少ない食材を選んだり、シンプルな味付けにするなど調理方法を工夫しましょう。
たとえば、スパイスやにんにくなど強い香りの調味料はできるだけ避けてください。
また、お子さまが好む香り・好まない香りを把握して調整し、楽しく食べられる環境を作ることが大切です。
4. リラックスする時間を作る
匂いに疲れた場合は、静かな環境でリラックスできる時間を作ることが重要です。
たとえばお気に入りの本を読む、心地よい音楽を聞くなど、お子さまが安心できる方法で過ごせるようサポートしてください。
ストレスを軽減することで、嗅覚過敏による負担も和らぎやすくなります。
5、保育園、幼稚園や学校との連携する
嗅覚過敏のお子さまが安心して通えるよう、担任の先生や学校スタッフにお子さまがどのような匂いを苦手とするのか、情報を伝えることが大切です。
たとえば給食の匂いや教室内の消臭剤の香りなど、具体的に説明しましょう。
対応については、学校側と親御さんで納得のいく方法を話し合ってください。
また、学校行事や集団活動についても、事前に相談してお子さまの負担を軽減する方法を一緒に考えると良いでしょう。
まとめ
嗅覚過敏のお子さまへの対応には、親御さんの理解と寄り添う姿勢がとても大切です。
生活環境を整え、負担を減らす工夫をすることで、お子さまが安心して過ごせるようになります。
また、症状が続く場合や困りごとが解消しない場合は、早めに専門家に相談し適切な対策を見つけることが安心につながります。
お子さまが快適に生活できる環境作りを目指しましょう。
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