「味が濃い」「食感が嫌だ」など、食事中のお子さんに困りごとを感じていませんか?
味覚過敏は食事の楽しみを奪うだけでなく、親御さんにとっても悩みの種になる場合があります。
本記事では、味覚過敏の原因や症状、家庭や学校でできる具体的な対策を札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が解説。
親御さんが、お子さまをサポートする方法をご紹介します。
味覚過敏とは?
味覚過敏とは、食べ物の味や食感に対して通常よりも敏感に反応してしまう状態を指します。
たとえば、少量の塩味や酸味が非常に強く感じられたり、苦味や辛味を過剰に嫌がることがあるでしょう。
また、特定の食感が苦手で、食べられる食品が限られてしまうケースも少なくありません。
これが原因で食事が偏ったり、栄養バランスに影響を及ぼす可能性も。
親御さんが特性を理解し無理なく対処することが、お子さまの健康を守るために重要です。
味覚過敏の4つの原因
味覚過敏にはさまざまな要因が関係しています。
味覚に関する感覚の過敏さや発達特性との関連、ストレスや疾患など、それぞれの要因を詳しく見ていきましょう。
1. 味覚に関する感覚の過敏さ
味覚過敏は、舌や口内の感覚が通常よりも敏感に反応することで起こります。
そのため、塩味や酸味などの刺激が非常に強く感じられ、不快感を覚える場合が多いです。
また味だけでなく、硬い・やわらかいなどの食感に過敏に反応することもあります。
こうした特性は、食事の楽しみを減らしてしまうため、調味料や食材の選び方に工夫が必要です。
2. 発達特性との関連
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)など、発達特性を持つお子さまには、感覚全般が過敏な傾向が見られ、その中で味覚過敏が特に強く現れる場合もあります。
そのため特定の食品や調味料を嫌がることで、食事の種類が偏ることがあるでしょう。
この場合には、発達特性に基づいた配慮とサポートが必要です。
3. ストレスや疲労
ストレスや疲労が溜まると、自律神経が乱れ味覚が過敏になることがあります。
ときに体調が優れないときや、精神的に疲れているときには、通常は気にならない味に強く反応することもあるでしょう。
これが続くと食事を楽しめなくなるだけでなく、食べる意欲が低下する場合もあります。
お子さまがリラックスして過ごせる環境や時間作りが大切です。
4. 病気や口腔の異常
口内炎や歯の疾患、さらには神経系の異常が原因で味覚過敏が生じることもあります。
これらの問題がある場合には、食事中に痛みや違和感を伴うことがあり、特定の食品を避けるようになってしまうのです。
医療機関での診察を受け、早めに治療をおこないましょう。
味覚過敏の症状と困りごと
味覚過敏のお子さまには、日常生活や集団生活でさまざまな困りごとが生じることがあります。
ここでは、食事の偏り・外食・集団生活・健康面への影響について詳しく見ていきましょう。
1. 食事の偏り
味覚過敏があるお子さまは、特定の味や食感を嫌がり食べられる食品が限られることがあります。
たとえば、苦味や酸味が含まれる野菜や、特定の食感の肉を避けるケースも。
その結果、同じ食品ばかりを食べるようになり、栄養バランスが偏ることが心配されます。
こうした偏りが続くと健康への影響も出るため、食事の工夫が必要です。
2. 外食
飲食店で提供される食事が口に合わず、外食を嫌がることもあります。
特定の味や匂いに過敏に反応し、食べられるメニューが限られる場合があるでしょう。
このため、外食の際には事前にメニューを確認したり、お子さまの好みに合わせた注文ができる店を選ぶ工夫が必要です。
3. 集団生活での影響
学校や保育園での給食時間に、特定の食品や味が苦手で食べられない場合があります。
これにより、周囲の友達と同じように食事を楽しむことが難しくなるケースもあるのです。
また、給食を嫌がることで昼食をほとんど摂らず、午後の活動に支障が出る心配もあります。
先生と親御さんが連携し、お弁当の許可を貰うなど柔軟な対応を考えることが大切です。
4. 健康への影響
食事の偏りが原因で栄養バランスが崩れ、健康に影響を与える場合があります。
とくに成長期のお子さまには、さまざまな栄養素が必要です。
しかし味覚過敏が原因で特定の食品を避けていると、栄養が不足してしまうでしょう。
食事の工夫や専門家からのアドバイスを受けることが重要です。
味覚過敏のチェックリスト
- 特定の味が嫌いで食べられない
- 食感に違和感を覚え、嫌がる
- 普通の味付けが「濃すぎる」と感じる
- 外食や給食を避けたがる
上記のうち3つ以上当てはまる場合、味覚過敏の可能性があります。
また、1つでも一時的ではなく続いていたり、強い反応がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
適切な診断と対応で、お子さまが楽しく食事できる環境を整えましょう。
味覚過敏は何科を受診すればいい
味覚過敏が疑われる場合、まずは耳鼻科や歯科を受診し、舌や口腔内の状態に異常がないか確認しましょう。
たとえば、味蕾や神経に問題がある場合は、診断後にそのまま治療が可能です。
原因が特定できない場合や発達特性が関連している場合は、小児科や心療内科、発達外来で相談しましょう。
とくに発達特性に伴う味覚過敏の場合、専門家のサポートを受けることで、より適切な対応策を見つけられます。
味覚過敏の子どものためにできる5つのこと
味覚過敏のお子さまが快適に食事を楽しめるよう、家庭での工夫が大切です。
ここでは、食事の工夫や環境づくり、少しずつ慣らす方法などについて詳しく見ていきましょう。
1. 食事の工夫をする
お子さまが食べやすいように、食材の切り方や調理方法を工夫しましょう。
たとえば、硬い食感が苦手な場合は、柔らかく煮込む調理法がおすすめです。
また、味付けは薄味にし過度な刺激を避けるよう心がけるといいでしょう。
同じ食材でも調理法を変えることで、お子さまが受け入れやすくなる場合があります。
無理なく、楽しく食事できる工夫を試してみてください。
2. 刺激を減らす環境を作る
食事中の環境を整えることが、過敏さを和らげることにつながります。
発達特性を持つお子さまの場合、食卓周りの環境がストレスになり味覚過敏が強くなる場合があります。
食事の時間を静かな環境で過ごせるようにし、過剰な刺激を避けることが大切です。
お子さまが安心して食事に集中できる環境を整えることで、食事へのストレスを軽減できます。
3. 少しずつ慣らす
苦手な味や食感に少しずつ触れることで、徐々に慣れていく方法も効果的です。
いきなりたくさん食べさせるのではなく、最初はほんの少しだけ口にしてもらうところから始めてみましょう。
時間をかけて徐々に慣らしていくことで抵抗感を減らし、苦手意識を少しずつ克服できる場合があります。
4. リラックスできる時間を作る
味覚過敏がストレスの原因となる場合は、食事以外の時間にリラックスできる工夫を取り入れましょう。
たとえば、好きな遊びや音楽を楽しむ時間を設けたり、家族でリラックスできる時間を過ごすことが効果的です。
お子さまの気持ちが落ち着くことで、食事への前向きな気持ちを育む助けとなります。
5、保育園、幼稚園や学校との連携はどうする
味覚過敏のお子さまが快適に集団生活を送れるように、担任の先生たちと連携することが重要です。
お子さまが苦手とする味や食感を具体的に伝え、給食メニューの変更や個別対応ができるかを検討してもらいましょう。
また、無理に食べることを強要したり、食事時間がストレスになったりしないよう依頼することも大切です。
行事や遠足の際にも事前に相談し、柔軟な対応をお願いしましょう。
まとめ
味覚過敏のお子さまへの対応には、親御さんの理解と寄り添う姿勢が欠かせません。
お子さまが安心して食事に向き合えるよう、食材の選び方や調理方法、食事環境を整えることが大切です。
また、無理をさせずお子さまのペースに合わせた対応を心がけることで、食事への抵抗感が軽減されることがあります。
困りごとが続く場合は専門家に相談し、適切なアドバイスを受けながら安心できる環境を整えていきましょう。
「こどもデイサービスセンター なごみ」では、療育体験も受付けております
札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
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