
「こどもが服を着るのを嫌がる」「靴下が痛いと言って履けない…」こんな悩みを抱える親御さんはいませんか?
もしかしたら「触覚過敏」と呼ばれる感覚の過敏さが原因かもしれません。
この記事では、触覚過敏の原因や症状、対処法を札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」が分かりやすく解説します。
お子さまの困りごとを理解し、サポートするためのヒントを見つけていきましょう。
触覚過敏とは?
触覚過敏とは、皮膚や身体に触れる感覚に対して、過剰に敏感な状態を指します。
一般的に「感覚過敏」の一種とされ、ときに子どもにおいては日常生活のさまざまな場面で困りごとを引き起こしてしまうのです。
具体的には、衣類の素材や水の刺激、他者との接触など、通常であれば気にならない感覚が不快感や苦痛を引き起こすとされています。
触覚過敏の4つの原因
触覚過敏にはさまざまな原因が考えられ、とくに子どもの場合は、発達段階における特性が影響していることが多くなっています。
1、神経系の未発達
触覚過敏は、子どもの神経系がまだ発達段階にあるために起こることがあります。
これは、脳が刺激を適切に処理できないことで、普通の触覚刺激が不快感として認識されてしまうことが原因です。
とくに乳幼児期は神経系が急速に成長しているため、感覚過敏が顕著に表れやすくなります。
お子さまが成長するにつれて症状が軽減しますが、長期的なサポートが必要な場合もあります。
2、発達障がいとの関連
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達障がいでは、感覚過敏が一部の症状として見られることがあります。
触覚への過剰な反応は、これらの障がいに共通する特性の一つであり、特定の感覚刺激に対する耐性が低いことが影響しています。
適切な療育や支援を通じて、お子さまが刺激に順応しやすくなる方法を見つけることが重要です。
3、トラウマやストレスの影響
過去のトラウマ体験や持続的なストレスが原因で、触覚に対する感受性が高まることがあります。
たとえば、皮膚を傷つけるような怪我や、それにともなう強い精神的ストレスが溜まると触覚過敏の引き金となる場合があるでしょう。
このようなケースでは、心理的なサポートや専門的な治療を受けることで、症状の軽減に役立つことがあります。
4、遺伝や環境要因
触覚過敏は、親御さんから感覚の特性が遺伝する場合や、日常生活の環境が影響することがあります。
たとえば、家の中で肌に直接触れる布団や家具の素材が刺激的だったり、温度や湿度の不快感が続いたりするとお子さまの触覚に負担をかけてしまいます。
こうした環境要因を見直すことで、触覚過敏の症状が和らぐ可能性もあるでしょう。
触覚過敏の症状と困りごと

ここでは、触覚過敏のお子さまが抱える具体的な症状や、それによる日常生活での困りごとを詳しく見ていきましょう。
衣類の選択の難しさ
触覚過敏の場合、服の素材や縫い目、タグなどが肌に触れる感覚を過敏に感じてしまいます。
その結果、着られる服が限られてしまい、毎日の服選びが親子ともに負担になることがあるでしょう。
また、外出先で急な不快感を訴えることもあり、事前の準備も欠かせません。
親御さんはお子さまに合った衣服を見つけるために多くの工夫が必要です。
外出時の困難
靴や靴下を履くのを嫌がったり、人混みでの他人との接触を避けたりするため、外出そのものを嫌がるケースもあります。
これが家族の活動範囲を狭める原因になることも少なくありません。
旅行やショッピングなどの楽しみが制限されるのはもちろん、社会的な活動が難しくなることも懸念されるでしょう。
そのため、すぐに服を着替えられる場所を探して置くなど、親御さんは外出計画を慎重に立てる必要があります。
集団生活での影響
保育園や学校での集団活動では、手をつなぐ遊びや運動会など、触れ合いを伴うイベントに参加することが難しい場合があります。
このため、周囲との交流が減り、孤立感を抱えるケースも少なくありません。
教師やクラスメートの理解が得られない場合、さらにストレスを感じることがあるため、親御さんや学校が連携して環境を整えることが重要です。
健康への影響
触覚過敏によるストレスは、睡眠不足や食欲不振などの健康問題を引き起こすことがあります。
さらに、強い不快感を繰り返し経験することで、不安感やイライラが増し、情緒の安定が損なわれる場合も少なくありません。
これらの影響が蓄積すると、生活全般に支障が出ることがあるため、早期に適切な対処を行うことが求められます。
触覚過敏のチェックリスト
- 衣類の素材やタグを嫌がる
- 靴下や靴を履きたがらない
- 水や石けんに触れるのを嫌がる
- 他人と手をつなぐことを極端に嫌がる
- 特定の触感の食べ物を避ける
上記のうち3つ以上当てはまる場合、触覚過敏の可能性があります。
また、1つでも一時的ではなく続いていたり、強い反応がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
適切な診断と対応で、お子さまのストレスが減る環境を整えましょう。
触覚過敏は何科を受診すればいい?
触覚過敏に関する相談は、まず小児科を受診するのが一般的です。
また、発達障がいとの関連が疑われる場合には、発達障がい専門のクリニックや療育センターを利用するのも良いでしょう。
必要に応じて心理士や作業療法士のアドバイスを受けるのも効果的です。
触覚過敏の子どもにできる6つのこと
触覚過敏のお子さまが安心して過ごせるように、環境の工夫も大切です。
ここでは親御さんが家庭でできる具体的なサポート方法を紹介します。
1.無理に着せるのではなく、代替案を探る
お子さまが嫌がる場合は、服を無理に着せるのではなくタグのない衣類や柔らかい素材の服を選びましょう。
また、ラベルをカットする、縫い目が目立たない服を用意するなど、お子さまが快適に感じられる工夫をすることが大切です。
2.心地よい素材を選ぶ
快適さを向上させるため、触り心地が良いタオルや衣類を試してみましょう。
シルクやオーガニックコットンのような自然素材の衣類は、刺激を最小限に抑えることができるため、おすすめです。
触れるもの全般に気を配ることで、お子さまの安心感も高まります。
3.お子さまの反応に共感する
「嫌だ」という気持ちを受け止めてあげると、お子さまは安心感を得られます。
嫌がる理由を言葉で説明するのが難しい場合は、親御さんが代わりに言葉にして探ってあげると、なお良いでしょう。
気持ちや、不快感の原因を知れば次の行動に進むための準備がしやすくなります。
4.療育グッズを試してみる
触覚刺激を和らげる道具を利用することで、過敏さを軽減できることもあります。
例えば、ウェイトブランケットは心地よい圧力を与え、リラックス効果が期待できます。
また、感覚統合療法用の道具も、お子さまの触覚に対する過剰反応を和らげる助けとなるでしょう。
5.リラックスできる環境を整える
お子さまが安心して過ごせる環境を作ることが、触覚過敏への対処にもつながります。
音や光の刺激が少ない静かな部屋や、好きなぬいぐるみや毛布を用意するなど、リラックスできる空間を整えると良いでしょう。
お子さまが安心感を持つことで、触覚への過剰反応も少しずつ改善する可能性があります。
6.保育園、幼稚園や学校との連携する
触覚過敏のお子さまが快適に過ごせるよう、保育園や学校と協力することが重要です。
具体的な困りごとや過敏さが出やすい場面を共有し、制服の素材変更や身体接触を避ける活動など、対応策を一緒に考えていきましょう。
支援計画を作成し、定期的に話し合いの場を設けることも検討してください。
また、触覚過敏に関する基本的な知識を保育者や教師に共有することで、より適切な対応が期待できます。
お子さまが集団生活を無理なく送れるよう、学校と連携を深めましょう。
まとめ
触覚過敏はとくに小さいお子さまにとって、日常生活で大きなストレスになることがあります。
お子さまの気持ちを理解し、適切な対処をすることで、負担軽減に繋がるケースも少なくありません。
この記事を参考に、ぜひお子さまの生活が少しでも快適になるお手伝いをしてみてください。
「こどもデイサービスセンター なごみ」では、療育体験も受付けております

札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
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