
お子さまが場面緘黙症と診断され、「自分の育て方が原因なのでは?」と不安に感じる親御さんが多いかもしれません。
しかし、場面緘黙症は親のしつけや接し方が直接の原因ではなく、さまざまな要因が関係していると考えられています。
本記事では、場面緘黙症の原因や親御さんができることについて札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンターなごみ」が分かりやすく解説。
不安を軽減しながら、前向きなサポートができるようお手伝いします。
場面緘黙症は親が原因ではありません
場面緘黙症は、親のしつけや育て方が原因で発症するものではありません。
この症状は、生まれ持った気質や脳の発達、環境要因などが関係すると考えられています。
たとえば不安を感じやすい性格や感覚の敏感さが影響し、特定の場面で強い緊張を覚えることで、言葉が出なくなることがあります。
また、環境の変化(転園・転校など)や人前で話すことへのプレッシャーが影響することもあるでしょう。
親御さんは「自分のせい」と責めず、お子さまの気持ちに寄り添いながらできるサポートを考えていくことが大切です。
以下の記事では、場面緘黙症についてさらに詳しく解説しています。是非、合わせてご覧ください。
場面緘黙症のお子さまのよくある困り事

場面緘黙症のお子さまは、「話せない」という状況によって、日常生活のさまざまな場面で困りごとを抱えています。
ここでは、場面緘黙症のお子さまが主にどのような場面で困るのかを見ていきましょう。
話しかけられても返事ができない
学校の先生や近所の人に話かけられても、緊張のあまり声が出せず固まってしまうことがあります。
頭の中では答えを考えていても、声に出せないため、「わからないのかな?」「聞いていないの?」と誤解されてしまうことも。
とくに注目を浴びると、さらにプレッシャーがかかり話しづらくなってしまいます。
話せないストレスがさらに声を出にくくすることもあるでしょう。
友達と会話ができない
友達と遊ぶことはできても、会話になると声が出せずに、うなずくか微笑むだけになってしまうことがあります。
話したい気持ちはあるものの、いざ言葉を発しようとすると緊張が高まりうまく声が出ないのです。
そのため「話す気がない」と誤解され、遊びの輪に入れなくなることもあります。
結果、人と関わること自体を避けるケースも少なくありません。
学校行事がストレスになる
場面緘黙症のお子さまにとって、人前で話すことが求められる場面は大きなストレスになります。
たとえば、学芸会や発表の場では、「セリフを言えなかったらどうしよう」という不安が強まり、緊張のあまり体が動かなくなることもあるでしょう。
周囲からは「やりたくないのかな?」と思われがちですが、本人は頑張りたい気持ちを持っていることが多いのです。
大切なことを伝えられない
たとえば学校でトイレに行きたくなったとき、「先生に声をかける」という行動が難しく、我慢してしまうことがあります。
その結果、トイレを我慢しすぎて体調を崩したり、お漏らしをしてしまったりするケースも。
また、怪我をしたときや体調が悪いときにも伝えるのが難しく悪化させてしまう可能性があります。
お子さまの場面緘黙症は成長とともに治る?
場面緘黙症は成長とともに自然に改善するケースもあります。
しかし、適切な支援を受けずにいると、思春期以降に二次的な問題が生じる可能性もあるのです。
たとえば、「話せないまま過ごしたことで自己肯定感が低下する」「周囲との関わりが苦手になり、不登校や対人不安につながる」などの影響が考えられます。
お子さまが安心して話せる環境を整え、早期から適切なサポートを行うことで、少しずつ改善へとつなげていきましょう。
場面緘黙と発達障害の関連性
場面緘黙症は、不安の強さが影響していることが多いですが、中には発達障がいの特性が関係しているケースもあります。
たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)のお子さまは、環境の変化に適応しにくかったり人とのコミュニケーションが苦手だったりすることがあり、それが場面緘黙につながることも。
また、感覚過敏や情報処理の難しさから、人前で話すことが大きなストレスになっていることも考えられるのです。
「なごみ」では、お子さま一人ひとりの特性や生活環境に合わせた支援プログラムを提供し、無理なく話す機会を増やせるようサポートしています。
安心できる環境の中で、少しずつコミュニケーションの幅を広げる方法を取り入れ、親御さんと一緒にお子さまに合った支援を進めていきます。
場面緘黙症が親のせいかもと悩む人は、一人で悩まず相談を
場面緘黙症は、親の育て方やしつけが原因で起こるものではありません。
大切なのは、一人で抱え込まずに適切な支援を受けることです。
【相談できる窓口】
- 発達相談窓口(市区町村の保健センター・発達支援センター)
→お子さまの特性に応じたアドバイスを受けられます
- 学校の先生・スクールカウンセラー
→学校生活での配慮やサポートを相談できます
- 児童精神科・小児心療内科
→専門的な診断や適切な支援方法を教えてもらえます
- ペアレントトレーニング・支援グループ
→親向けのサポートプログラムに参加することで、不安を軽減できます
親御さん自身が安心して向き合うことが、お子さまの成長を支える大きな力になります。
相談できる場所を活用しながら、お子さまのペースを大切に見守っていきましょう。
場面緘黙症のお子さまに親ができること
場面緘黙症のお子さまをサポートするには、安心できる環境を整え無理なくコミュニケーションを広げていきましょう。
ここでは、親御さんができる具体的なサポート方法を紹介します。
話すことを強要せず、安心感を大切にする
場面緘黙症のお子さまは、「話したくない」のではなく、「話せない」状態にあります。
そのため、「どうして話さないの?」と責めたり無理に話させようとしたりすると、かえって不安が強まってしまいます。
まずは、話さなくても受け入れられる環境をつくり、安心感を与えてください。
家庭ではお子さまの気持ちに寄り添い、学校では先生と相談して「話さなくても困らない仕組み」を整えることで少しずつ話しやすい状況を作りましょう。
言葉以外のコミュニケーションをサポートする
話せなくてもお子さまが安心して意思を伝えられるよう、言葉以外の方法を活用しましょう。
たとえば、ジェスチャー・筆談・カードを使うなどの工夫を取り入れると、言葉が出にくい場面でもスムーズに意思を伝えやすくなります。
また、親子間でも「質問にうなずく」「指で数を示す」など、小さなやり取りを積み重ねてください。
お子さまが、プレッシャーを感じることなくコミュニケーションをとる習慣をつけていきましょう。
成功体験を積み重ねて自信を育てる
お子さまが少しでも話せたり意思を伝えられたりしたときは、その努力を認めてあげましょう。
たとえば、親御さんにだけでも声を出せたときは「ちゃんと伝えられたね」と褒めれば、お子さまの自信につながります。
また、「先生にうなずけた」「友達と目を合わせられた」など、話すこと以外の小さな成功体験も積み重ねることで、症状が軽減する可能性があります。
お子さまのペースを尊重し、焦らず見守る
場面緘黙症の改善には個人差があり、無理に話すことを求めるよりも、お子さま自身のペースを尊重するのが重要です。
すぐに変化が見られなくても、「焦らなくて大丈夫」と安心感を与えることで、お子さまは自分のペースで成長できます。
また、親御さん自身が気持ちを落ち着け、お子さまの小さな変化を前向きに捉えることで、より良いサポートができるでしょう。
まとめ
場面緘黙症は、親の育て方が原因ではなく不安の強さや環境要因が関係しています。
一人で悩まず、発達相談窓口や専門機関に相談し、適切な支援を受けていきましょう。
まずはお子さまが安心して過ごせる環境を整え、焦らず見守ることが大切です。
また、親御さん自身もサポートを受けながら、お子さまと一緒に少しずつ前向きに進んで
いってください。
「こどもデイサービスセンター なごみ」では、療育体験も受付けております

札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
不安を抱えた親御さんの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。療育の体験をしていただくこともできますので、お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。
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