
お子さまがいるご家庭では、「学校に行きたくない。」といった言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。ご自身が学生時代に学校に行くことをためらった経験がある方もいるでしょう。文部科学省の調査によると、近年、不登校の子どもの数は増加傾向にあり、決して特別な問題ではないことが考えられます。
この記事では、不登校の現状や背景に加え、小学生、中学生、高校生それぞれの不登校の原因と具体的な対応方法について、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンターなごみ」が解説します。
不登校とは?
「不登校」とは、どのような状態を指すのでしょうか
まずは、不登校の定義や現状について、文部科学省の資料をもとに詳しく見ていきましょう。
文部科学省の令和5年度の調査では、国立や公立、私立の小・中学校の不登校児童生徒数が約34万6千人、高等学校の不登校生徒数が約6万9千人、合計で約41万5千人が不登校状態にあることを報告しています。
過去最多の数値であることから、不登校は決して一部の特別な子どもたちの問題ではなく、多くの子どもたちが学校生活において困難を抱えている深刻な状況であることが浮き彫りとなりました。
そもそも、不登校とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と、文部科学省において定義されています。
単に欠席日数が多いから不登校というわけではなく、子どもの心理的な不安定さや友人関係、家庭環境の変化など、一人ひとりの抱える個別の事情が存在していることが考えられます。
参考:不登校の現状に関する認識
参考:令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)
【小学生】不登校の原因

小学生は、遊びが中心だった生活から勉強中心の生活になることから、環境の変化に戸惑う子もいるかもしれません。
また、6年間という長い学校生活の中で、身体的にも情緒的にも変化が著しい時期でしょう。子どもそれぞれがどのような問題を抱えているのかを確認し、不登校の対応法を考える必要があります。
小学生が不登校となる主な原因は以下の通りです。
- 小学校入学という環境の変化への不安
- 親との分離不安
- 遊び中心の生活から学習中心の生活へとなる違和感
- 言葉でのコミュニケーションが未熟なことによる友人関係のトラブル
- 体力的な不安定さからくる体調不良や朝の起床困難
このようなさまざまな要因が複雑に絡み合い、小学生は学校生活への適応に不安を感じ、不登校という形をとることがあるでしょう。
小学生不登校の対応方法
小学生のお子さまが不登校になった場合、まずは気持ちをじっくりと聴くことが大切です。頭ごなしに叱らず、困っていることがないか優しく声をかけましょう。
家庭は安心して過ごせる温かい居場所となるように心がけ、無理に学校の話をしたり、プレッシャーをかけたりしないようにすることも必要です。
また、スクールカウンセラーや地域の相談機関など、専門家に相談することも考えましょう。学校の先生とも連携を取り、お子さまに合った支援を一緒に考えていくことが大切です。
不登校の解決には時間がかかることもあります。
保護者の中には「もう、学校に行けないのではないか」と焦ってしまうこともあるかもしれませんが、不登校という行動をとることで、お子さま自身が自分を守ろうとしている可能性もあるでしょう。
まずは、お子さまのペースを尊重しながら、ゆっくりと解決の糸口を探っていけるとよいですね。
【中学生】不登校の原因

中学生になると、小学生の頃とは異なる新たな悩みや課題に直面することが増え、不登校の要因となることもあるようです。
思春期特有の心身の変化に加え、より複雑な問題に直面することで、学校に行かなくなることも考えられます。
中学生が不登校となる主な原因は、以下の通りです。
- 学習内容が難易度が上がり、勉強への意欲の低下
- 友人関係の複雑化による孤立やいじめ
- 自我の芽生えに伴う親との関係の変化
- 進路への意識の高まりと将来への漠然とした不安
- 思春期特有の心身の不安定さや体調不良
学校という集団生活の中でさまざまな精神的な負担を感じ、不登校を選択することがあるでしょう。
中学生不登校の対応方法
中学生のお子さまが不登校になった場合、まずお子さまのペースに合わせ、時間をかけて丁寧に話を聴くことが大切です。
一方的な意見の押し付けや解決策を伝えることは、反発を招く可能性があります。お子さま自身の言葉で気持ちや考えを語れるように、じっくりと耳を傾けましょう。
専門家のサポートも積極的に検討し、学校との連携を密にすることも重要です。
積極的にお子さまの興味や関心のあることを知り、将来の進路について本人の意向を尊重しながら話し合う機会を持てるとよいでしょう。
【高校生】不登校の原因

高校生になると、中学生の頃に感じた悩みや課題がさらに深刻化したり、より将来を見据えた新たな問題に直面したりすることもあります。
また、アルバイトなどを通じて学校の外の世界を知る機会が増えることで「学校に行く意味」や「自分らしい生き方」について考えるようになり、不登校に至る理由も多様になるでしょう。
高校生が不登校となる主な原因は、以下の通りです。
- 学習内容のさらなる高度化による学業へのプレッシャー
- 友人関係や部活動での人間関係のストレス
- アルバイトやSNSなど、学校外の価値観に触れる機会の増加
- 進路選択や将来の進学・就職に対する不安
- 他者との比較による自己肯定感の低下
子どもの中には、自立への意識が高まり、その一方で現実とのギャップに悩む子もいるでしょう。学校という枠の中で自分の存在意義を見失い、不登校となるケースも少なくありません。
高校生不登校の対応方法
高校生が不登校になった場合は、一人ひとりの背景や気持ちに合わせた、丁寧な対応が求められるでしょう。
まずは、気持ちをしっかり受け止め、「どうして行けないのか」ではなく、「今どんな気持ちでいるのか」を理解しようとする姿勢が大切です。
子どもたちは、自立心が芽生える一方で、将来への不安や人間関係の悩みを一人で抱え込む可能性があります。
担任の先生やスクールカウンセラーと連携し、登校時間を調整したり、別室登校やオンライン授業を活用したりと子どもにとって負担の少ない方法を相談していきましょう。
また、通信制高校や定時制高校など、より柔軟な学び方を選択することも一つの方法です。「今の学校に合わない」=「勉強ができない」わけではありません。
子ども自身のペースを尊重しながら見守り、保護者も一人で悩みを抱え込まず、前向きなサポート体制を築いていくことが重要です。
不登校で悩んだ時の相談先一覧

お子さまが不登校になったときにどのように対応すればよいのか悩むこともあるでしょう。
さまざまな相談先があるため、状況に応じて積極的に活用することが大切です。
スクールカウンセラー|まずは話しを聞いてもらうなら
スクールカウンセラーは、学校内で生徒や保護者の悩みを聞いてサポートする専門職です。子どもが不登校になった理由や背景を理解し、心のケアをしてくれる重要な存在でしょう。
カウンセリングを通じて、子どもの心情や状況に寄り添った支援を受けることができるようなので、まずは気軽に相談してみましょう。
教育支援センター|相談なら
教育支援センターは、主に小中学校の不登校児童生徒を対象に支援を行っている施設です。
不登校や学校生活に困難を感じている子どもたちと保護者に対し、専門的なアドバイスや支援を提供しています。相談内容に応じて、学習支援やカウンセリング、学校復帰に向けたプラン作成など、個別の対応が行われることが特徴です。
詳細な情報や相談方法については、各地域の教育支援センターのホームページを確認してみましょう。
児童相談所|相談するなら
児童相談所は、子どもに関するさまざまな問題に対応する専門機関です。
子どもの心身に関わる問題や家庭内でのサポートが必要な場合に、相談を受け付けているようです。
フリースクール|居場所づくりなら
フリースクールは、学校に通えない子どもたちに対して、学習や生活のサポートを行う民間の施設です。学校とは異なる自由な環境の中で、子どもたちは自分のペースで学びながら、過ごすことができるようです。
学習だけでなく、仲間との交流や自己肯定感を育む活動も大切にされており、不登校の子どもたちへの「居場所」を提供する重要な場所となります。
習い事|居場所づくり
習い事は、スポーツ、音楽、アート、料理など、さまざまな種類があるため、子どもの興味や性格に合ったものを選ぶことができそうです。
不登校の子どもたちにとって新たな居場所になる可能性があるでしょう。
学外の活動を通じて、子どもは自信を取り戻したり、異年齢の子との人間関係を築けたりと、リフレッシュする場になるかもしれません。
不登校対応の塾・家庭教師|学力が気になるなら
不登校の子どもたちにとって、学力面での不安が悩みとなることがあるため、不登校対応の塾や家庭教師を利用することが一つの選択肢です。
学校に通うことなく、自宅で学習を進めることができるため、子どもが自分のペースで学習をすることが可能になるでしょう。
塾に行くことで外出の機会を増やしたり、家庭教師と接することで社会とのつながりを感じたりと、次第に自信を取り戻していくことも考えられます。
医療機関|気になる症状があるなら
不登校の原因が体調不良や精神的な問題に関連している場合、医療機関での相談も重要です。
特に、子どもが体調不良を訴えることなく学校に行けなくなる場合、心の問題が影響していることも考えられます。
医師や専門家に相談すると、適切な診断や治療を受けることができ、子どもの回復をサポートすることが可能です。
放課後等デイサービス|特性に合わせた学習方法
放課後等デイサービスは、発達に特性がある子どもたちに対して、学習支援や社会性の向上を目指す支援を行う施設です。
不登校の子どもたちも利用でき、個別の状況に応じた学習方法を提供してくれるため、学校に通うことが難しい子どもたちにとって、安心して通える場所となるでしょう。
なお、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンターなごみ」は、幼児から高校生まで幅広い年齢の方が利用できる放課後デイサービスです。
不安を抱えたご家庭の心に寄り添った支援をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
親の会|相談や情報など同じ境遇の親とつながるなら
不登校や発達障がいなどの子どもがいるご家庭が集う「親の会」は、同じような悩みを抱く保護者がつながり、支え合う場所です。
情報交換や相談、励まし合いを通じて、孤独感を和らげ、前向きに子どもの支援に取り組むための力となるでしょう。
札幌の相談先一覧
続いて、お子さまが不登校になったときの札幌の相談先について紹介します。
● 子どもアシストセンター(札幌市子どもの権利救済機関)
学校生活、家庭生活、対人関係など、子どもに関わるさまざまな悩みについて、専門の相談員がサポートが受けられるでしょう。
● 札幌市若者支援総合センター(Youth+センター)
進路や就職に関する相談を含む、若者(概ね15歳~39歳)やその家族が抱えるさまざまな悩みについて、専門のカウンセラーが対応しているようです。
● 24時間子供SOSダイヤル
いじめやその他のSOSについて、子どもや保護者が、夜間・休日を含めていつでも簡単に相談できる専用の電話サービスです。
● 各区家庭児童相談室
子どもに関係する機関や保護者から、18歳未満の子どもの福祉(家庭での養育、不登校、非行など)に関する相談を受け付けているそうです。
● 札幌市児童相談所
家庭での養育に心配や問題がある18歳未満の子どもの福祉に関する相談を行い、必要に応じた支援を提供しています。
これらの相談先を利用することで、子どもの問題を早期に解決し、適切な支援を受けることができます。必要に応じて積極的に活用しましょう。
札幌市:子どものための相談窓口
不登校のお子さまに、放課後等デイサービスという選択肢
お子さまが不登校になったとき、「どう寄り添えばいいのか分からない」「家での時間の過ごし方に悩んでいる」と感じる保護者も多いのではないでしょうか。
その際は、選択肢のひとつとして「放課後等デイサービス」の利用を考えてみるのもよいかもしれません。
放課後等デイサービスは、学校へ通うことが難しいお子さまや発達に特性のあるお子さまが、安心して過ごせる場所です。平日の放課後や長期休暇中などに利用でき、学習支援や生活スキルの練習、人との関わりを深める活動などが行われています。
また、不登校の状態で放課後等デイサービスに通うことで、一定の条件を満たせば学校の「出席扱い」として認められる可能性があります。
これは文部科学省が定める「出席扱い制度」に基づいており、学校外での活動が学校での出席と同等に評価される制度です。
学校以外にも「安心して通える場所がある」と感じられることは、お子さまにとっても、保護者にとっても大きな支えになります。まずは見学や相談から、一歩ずつ始めてみてはいかがでしょうか。
未来への不安、進路の悩み…『こどもデイサービスセンターなごみ』で解決の糸口を一緒に見つけませんか?

札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
不安を抱えた親御さんの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。施設の体験をしていただくこともできますので、お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。
なごみの療育の様子はこちらからご覧になれます。
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