「学校に行きたくない」とお子様に言われ、どう受け止めればいいのか戸惑った経験はありませんか。不登校とは、病気や特別な事情がないにもかかわらず、さまざまなきっかけで学校に行かない（または行けない）状態が続いていることを指します。
近年、不登校の子どもは年々増加しており、心と身体のバランスが不安定になりやすい中学生の時期には、誰にでも起こり得ることだといわれています。
この記事では、不登校の現状や背景に加え、中学生の不登校の原因と具体的な対応方法について、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンターなごみ」が解説します。
中学生の不登校、理解と対応の第一歩
文部科学省の令和5年度の調査によると、全国の小中学生の不登校の子どもの人数は約34万6千人と、前年度から、約4万7千人増加しています。
不登校は個別の問題ではなく、誰しも起こりうる社会全体の課題です。
家庭にとって難しい悩みとなり、どのように対応すべきか迷ってしまうことがあるかもしれません。
中学生という思春期を迎えた子どもたちの場合、心の変化や学校生活へのプレッシャーが影響していることも考えられます。
まずは、お子様の気持ちを理解し、適切なサポートをするためにどのような手順を踏むべきかについて考えてみましょう。
中学生の不登校、小学生不登校との違い
小学生の不登校では、「学校に行きたいけれど行けない」という気持ちが背景にあることが多く、家庭環境や情緒的な不安が影響するケースが目立つかもしれません。
一方、中学生になると、自分の意思で「行かない」と判断する場面が増えてきます。友人関係の複雑さや学業へのプレッシャー、進路への不安などさまざまな原因が絡み合うことが考えられます。
また、心の内を言葉にする機会が減るため、大人が変化に気づきにくいことも少なくありません。年齢や発達段階に応じた理解と関わりが大切になりそうです。
不登校の原因を探りつつ、子どもの気持ちに寄り添う
無理に登校を促すよりも、まずは子どもの気持ちを丁寧に受け止めることが大切です。「どうして行けないのか」ではなく、「どんな気持ちでいるのか」に目を向けてみましょう。
原因を探る中で、少しずつ気持ちが整理されていくこともあります。また、自分の気持ちを保護者の方が理解してくれたと感じるだけで、心が軽くなることもあるでしょう。
親御さんがおちいりやすい誤解と正しい対応
保護者の方の中には、学校に行かないのは「甘えているだけでは？」と感じることがあるかもしれません。
しかし、不登校には目に見えない理由や、子どもなりのサインが隠れていることも多くあります。
また、ゲームが不登校の原因として取り上げられることもありますが、ゲーム自体が悪いわけではありません。
過度に依存してしまうことが課題であって、「ゲームをやりたいから、学校に行きたくないのだろう」と決めつけてしまわないように、気をつけることが大切です。
中には、「みんなは学校に行っているのに自分だけが家にいる」と感じ、不安や葛藤を抱える子どももいるでしょう。 叱るよりもまずは気持ちに共感し、安心できる関係を築くことを意識するとよいですね。
子どものペースに合わせながら、安心できる居場所を家庭で作っていくことが、回復への助けとなります。
参考：令和５年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について/文部科学省
中学生の不登校｜トップ3の原因
中学生の不登校には、さまざまな要因が影響しています。
具体的な原因について詳しく見ていきましょう。
①無気力 、不安
中学生が感じる無気力や不安は、学業のプレッシャーや人間関係のストレスからくることが多いようです。
たとえば、将来の進路に対する不安が重なり、学校に行くこと自体が負担に感じられることもあるでしょう。思うように成績が上がらなかったり、他者と比較して勉強ができなかったりすると、劣等感を抱くこともあります。
自分に自信がなくなり学校に行くエネルギーないことで無気力状態となり、不登校を選択する子もいるでしょう。
②生活リズムの乱れ、遊び、非行
生活リズムが乱れると、体調や気分の不調につながり、学校へ行く気力を失ってしまうことがあるでしょう。夜更かしや昼夜逆転の状態が続くと、心身ともに疲弊し、回復にも時間がかかるかもしれません。
また、学校でのストレスを遊びや非行で発散しようとすることがあり、危険な友人関係に巻き込まれる可能性も考えられます。
学校に通っていない友人から「学校に行くのはやめよう」「一緒にゲームをしていよう」と誘われると、気持ちが揺らぐこともありそうです。
③いじめを除く友人関係をめぐる問題
学校でのクラスや部活動、人間関係の悩みがきっかけとなり、不登校になるケースがあります。
部活動でのプレッシャーや、チーム内のトラブルに対処しきれず、学校に行きづらくなることもあるでしょう。
また、SNSやオンラインゲームを通じたつながりが、現実の友人関係よりも重視されることがあります。
学校に行かなくても、SNSやゲームで友達とつながっていられるという安心感から、登校の必要性を感じにくくなり、不登校を選ぶ可能性があるのです。
参考：令和３年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要（文部科学省）
子どもとのコミュニケーション、信頼関係を築く
不登校の背景には、本人にも言葉にしづらい思いや、複雑な感情が隠れていることがあります。
無理に解決しようとするよりも、まずは家庭の中で安心して気持ちを表現できる環境を整えていくことが大切です。
子どもとの日々のコミュニケーションを通して、少しずつ信頼関係を築いていくうえで必要なことを確認していきましょう。
子どもの気持ちを引き出す、聴く姿勢
子どもが心の中に抱えていることを話してくれるまでには、時間がかかることがあるでしょう。
「思っていることを話してほしい」「気持ちをわかりたい」という思いが強すぎると、かえって子どもは心を閉ざしてしまう場合もありそうです。
まずは、子どものペースに合わせて、静かにそばにいることを心がけましょう。
話してくれたときには内容を正すよりも、「話してくれてうれしいよ」と気持ちを受け止めることが大切です。親の共感や安心感のある受け答えに、子どもは「また話してみよう」という気持ちを抱いてくれそうですね。
失敗や弱さも受け止めてもらえる経験が、信頼の土台となるでしょう。
家庭でできる、安心できる居場所づくり
学校に行かない日々が続く中でも、家庭の中に安心して過ごせる場所があるかどうかは、子どもの心の状態に大きく影響します。
何かを頑張ることよりも、ほっとできる時間や空間があることが、子ども自身の回復のエネルギーになるでしょう。
テレビを一緒に見たり食事をゆっくり楽しんだり、ささやかな日常のふれあいを積み重ねていくことが大切です。
学校との連携、専門機関への相談
子どもの状態や気持ちをよく理解するためには、学校との連携が欠かせません。
担任の先生やスクールカウンセラーなどと定期的にやりとりを重ねることで、家庭だけでは見えにくい様子を知ることができる場合があるでしょう。
また、家庭での対応に迷いや不安があるときは、専門機関への相談も選択肢のひとつです。発達に障がいがある場合は放課後等デイサービスなどの利用も考えてみましょう。
保護者自身が孤立せずに支援を受けられることが、結果的に子どもとの関係にもよい影響をもたらすことが考えられます。
不登校からの高校受験は難しい？確認しておきたい3つのポイント
不登校の経験があると「高校受験に不利なのでは？」「進学できる高校が限られてしまうのでは？」と不安になることもあるかもしれません。
ここでは、不登校の経験があっても前向きに受験に向けて動き出すために、確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
1.調査書や内申点
高校受験では、多くの学校で「調査書（内申書）」の提出が必要です。中学校での学習状況や生活態度、特別活動の記録などがまとめられたもので、選考の参考となるでしょう。
また、不登校によって出席日数が少なかったり、評価がつかない教科があったりしても、事情に応じた記載を行うこともあるようです。
私立高校のなかには、公立よりも選考方法に幅をもたせているところもあります。受験基準や考え方を確認するためにも、学校説明会や個別相談の場を活用するとよいでしょう。
また、自宅での学びや日々の努力、課外活動のような学校外での取り組みが、調査書に反映されるケースもあります。担任や進路指導の先生と話しながら、準備することが大切です。
進路は全日制高校だけに限られません。通信制・定時制・単位制など、さまざまな選択肢があります。視野を広げて情報を集められるとよいですね。
2.欠席日数（出席日数）
欠席日数が多いと受験に不利になるのではないかと心配になる方も多いかもしれません。
実際には、学校によって欠席日数の扱いはさまざまで、一定の基準で一律に判断されるわけではないようです。
たとえば面接や自己PR、作文などで「不登校をどのように過ごし、何を感じ、何を学んだか」といった部分を丁寧に伝えることで、前向きな評価につながることもあるかもしれません。
また、欠席があっても意欲的に学んでいたことがわかるような資料（提出物、レポート、学習記録など）を準備しておくのも一つの方法です。
学校側も、事情を理解したうえで個別に判断してくれることがあるようなので、不安な場合は早めに志望校へ相談してみましょう。
3.学力
不登校の期間があると「学力が追いついていないのでは」と感じることもあるかもしれません。
ただし、受験に向けた学力の向上は取り組み次第で十分可能でしょう。
まずは、今の自分の理解度を知ることが大切です。模擬試験や過去問題に取り組むことで、苦手な分野や得意な教科を把握しやすくなります。
塾や家庭教師に加え、放課後等デイサービスなどの支援を活用することで、自分に合った方法で少しずつ学びを進めることができるでしょう。
また、学び直しに向き合う姿勢そのものが、面接や自己PRで前向きに受け止められることもあります。
不登校の経験を通して得た気づきや努力を、自分の言葉で伝えられるようにしておくことが大切です。
不登校の中学生勉強方法
不登校の期間があると、学校の授業から離れる時間が長くなり、学習への不安を抱えることもあるでしょう。自宅での学び方に迷う場面も少なくありません。
ここでは、不登校の中学生が自分のペースで学習を進める方法について紹介します。
1. 生活リズムを整えることからはじめる
勉強を再開するには、まず生活リズムを整えることが大切です。毎日決まった時間に起き、朝の光を浴びるだけでも、心と体が整いやすくなります。
無理に長時間勉強しようとせず、「朝に10分だけ机に向かう」など、続けやすい習慣を意識するとよいでしょう。
2. 自分に合った学び方を見つける
勉強の仕方に正解はありません。教科書を読み直したり学習アプリで視覚的に理解を深めたり、動画やプリント学習を組み合わせるのも方法のひとつです。
「わからなかった学習を理解した経験」を積み重ねることで自信につながるでしょう。まずは、さまざまな方法を試してみて自分に合った学習法を見つけることから始めてみるとよいですね。
不登校で悩んだ時の相談先一覧
子どもが学校に行きづらくなったとき、保護者としてどのように寄り添えばよいのか、不安に感じることもあるでしょう。
無理に解決しようとせず、まずは気持ちを共有できる窓口を探してみることが大切です。
ここからは、悩んだ時の相談先を紹介します。
スクールカウンセラー｜まずは話しを聞いてもらうなら
スクールカウンセラーは、学校生活での悩みや不安に耳を傾けてくれる専門家です。子ども自身がうまく言葉にできない気持ちを、ゆっくり整理する手助けをしてくれるでしょう。
相談は学校を通じて申し込むことができるため、担任の先生や養護教諭に声をかけてみるのもひとつの方法です。
教育支援センター｜相談なら
教育支援センターは、不登校の子どもたちやそのご家族に向けて、さまざまな支援や相談を行っている場所です。
学習面でのサポートや子どもの心のケア、将来に向けた学校復帰の計画作りまで、個別の状況に応じた対応が期待できるでしょう。
支援内容は地域によって異なるため、利用を検討する際は、お住まいの自治体のホームページや窓口で具体的なサービス内容を確認するとよいですね。
児童相談所｜サポートが必要なら
児童相談所は、子どもに関するさまざまな問題を専門的に扱う機関です。
心や身体の悩み、家庭環境に関する困りごとなど、さまざまなケースで相談を受けることができるようです。各地域に設置されているため、探してみるとよさそうです。
フリースクール｜居場所づくりなら
フリースクールは、学校とは異なるスタイルで学びや友達との交流をする場所です。
授業だけでなく、アートや音楽などを通じて自己表現をしたり、他の人との関わり方を学んだりすることも大切にしているようです。
自由な雰囲気の中で、自分らしく過ごすことができるため、少しずつ自信がつき、前向きに物事を考えられるようになるかもしれません。
不登校対応の塾・家庭教師｜学力が気になるなら
学力に不安がある場合、不登校の生徒に特化した塾や家庭教師のサポートを受けることができそうです。
自宅で学べるスタイルや個別に寄り添った対応が特徴で、無理なく学びを続けられるよう工夫されています。直接対面でのやりとりを通じて、学習だけでなく、他の人とのコミュニケーションの場にもなり、学びの幅が広がることが期待できるでしょう。
医療機関（小児科、児童精神科・発達外来）｜気になる症状があるなら
体調や心の調子が悪いと感じたとき、医療機関で相談することを考えてみましょう。
思春期には、ホルモンバランスの変化や精神的なストレスが原因で、うつ病や不安障害、摂食障害など、特有の病気が現れることもあるようです。
小児科や精神科、心療内科で専門的な診断やアドバイスを受けることで、心と身体の不調を早期に見つけ、適切な支援を受けることができそうです。
放課後等デイサービス｜特性に合わせた学習方法
放課後等デイサービスでは、発達に特性のある中学生を含む幅広い年齢層に向けて、学習や日常生活の支援、社会性を育むためのサポートが行われています。
学校に通うことが難しい場合でも、安心できる環境の中で、それぞれの特性やペースに合わせた学びが進められます。
なお、札幌市清田区里塚にある「こどもデイサービスセンターなごみ」では、発達の障がいのある幼児から高校生までを対象に支援を行い、お子様の特性に合わせて個別にプログラムをご用意します。
各ご家庭の心に寄り添ったうえで、医療や行政サービス、学校との連携を深めながら支援いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
親の会｜相談や情報など同じ境遇の親とつながるなら
親の会は不登校や発達の特性をもつ子どもを育てる保護者が集まり、悩みや体験を共有する場です。
似たような境遇の人と話すことで、心の重荷が少し軽くなることもあります。
情報交換や励まし合いの中で、前向きな気持ちや子どもへの向き合い方が見えてくるかもしれません。
中学生の不登校｜札幌の相談先一覧
学校に行きづらくなったとき、悩みを一人で抱え込まずに利用できる地域の支援先があります。
札幌市では、子どもや家庭を支える複数の相談機関が設けられています。
●子どもアシストセンター（札幌市子どもの権利救済機関）
学校生活のことや、家庭での接し方、人間関係に関する悩みなどを相談できる窓口です。専門のスタッフが話を聞いてくれるので、子ども自身だけでなく、保護者も相談可能です。
●札幌市若者支援総合センター（Youth+センター）
進路や働き方、生活にまつわる悩みについて、15歳から39歳までの若者とその家族を対象に相談できます。必要に応じて個別相談やカウンセリングのサポートが受けられるでしょう。
●24時間子どもSOSダイヤル
いじめや友だちとの関係などで悩んだとき、いつでも話ができる電話相談窓口です。24時間・年中無休で対応しているため、時間を気にせず相談できます。
●各区家庭児童相談室
子どもの養育や学校生活に関する相談を受け付けている窓口です。不登校、非行、発達などの内容に応じて、必要な支援機関との連携も行われています。
●札幌市児童相談所
発達や行動のことで気になることがあるとき、また子育ての悩みがあるときに利用できる専門機関です。
相談内容に応じて、必要な支援につなげてもらえる体制が整っています。
札幌市：子どものための相談窓口
不登校のお子さまに「なごみ放課後等デイサービス」という選択肢もあります
お子さんが学校に行けなくなるという状況は、ご家庭にとっても戸惑いや不安が多いものでしょう。
ただ、無理に解決しようと焦らずに、お子さんの様子を見守りながら、できることを一つずつ重ねていくことが大切です。安心できる環境を整えることが、心の回復につながる大きな支えとなるでしょう。
勉強についても、学校以外の方法で学びを続けられる選択肢があります。フリースクール、家庭教師など、子どもに合った学びの場を見つけることを考えてみましょう。
お子さまが不登校になったとき、「どう寄り添えばいいのか分からない」「家での時間の過ごし方に悩んでいる」と感じる保護者も多いのではないでしょうか。
その際は、選択肢のひとつとして「放課後等デイサービス」の利用を考えてみるのもよいかもしれません。
放課後等デイサービスは、学校へ通うことが難しいお子さまや、安心して過ごせる場所です。平日の放課後や長期休暇中などに利用でき、学習支援や生活スキルの練習、人との関わりを深める活動などが行われています。
また、不登校の状態で放課後等デイサービスに通うことで、一定の条件を満たせば学校の「出席扱い」として認められる可能性があります。
これは文部科学省が定める「出席扱い制度」に基づいており、学校外での活動が学校での出席と同等に評価される制度です。
学校以外にも「安心して通える場所がある」と感じられることは、お子さまにとっても、保護者にとっても大きな支えになります。
札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
不安を抱えた親御さんの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。施設の体験をしていただくこともできますので、お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。
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