
中学生のお子様が不登校になったとき、その理由がわからないと不安を抱く保護者の方もいるでしょう。
理由がわからないままだと、どのようにサポートすればよいのかと悩むこともあるかもしれません。
この記事では、中学生の不登校に「理由がわからない」ときの対処法を札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンターなごみ」が解説します。
なぜ中学生が不登校に「理由がわからない」ことが起きるのか?

中学生のお子様が学校に行けなくなると、保護者の方はまず、その理由を知りたくなるでしょう。
しかし、不登校の原因が本人にもわからないケースも珍しくありません。
なぜ理由がはっきりしないまま学校に行けなくなるのか、その背景には思春期特有の心の動きや言葉にできない不安が隠れているようです。
ここでは、本人も説明しにくい複雑な心の状況について詳しく解説します。
本人も理由がわからないケースは多い
中学生のお子様が不登校になると、原因をはっきりと説明できないことが少なくありません。心の中で感じている思いや不安が複雑に絡み合い、自分自身でも言葉にすることが難しい場合が多いようです。
自分の気持ちをうまく整理できないまま、強い不安や緊張から逃れようとして、学校へ行きづらくなっていることがあります。
本人の意思だけではコントロールしづらいため、周囲の理解と温かい支えが必要でしょう。
「言葉にできない不安」が背景にある
中学生の心の中には、まだはっきり言葉にできない漠然とした不安や恐れが潜んでいることがあります。
友人関係のもつれや勉強のプレッシャー、将来への不安など、具体的に説明しにくい心のモヤモヤが積み重なっている場合があるでしょう。
言葉にならない不安は、本人にとっても理解しづらく、表現しづらいものです。
そのため、不登校の原因が見えにくく、周囲も原因を特定しにくいという状況になります。本人が話しづらい気持ちを尊重し、焦らずじっくり向き合うことが大切です。
思春期特有の心の変化と防衛反応
思春期は心身ともに大きな変化が訪れる時期で、自我が芽生え始める一方で、感情のコントロールがまだ未熟な段階といえるでしょう。
気持ちが揺れやすくなったり、友達や家族との距離感がつかみにくくなったりします。自分のことをうまく伝えられず、不安やストレスが強くなることもあります。
心を守ろうとする防衛反応が働き、「学校に行きたくない」と感じることもあるでしょう。理由を無理に聞き出そうとするよりも、気持ちの変化を受け止めて、安心できる居場所をつくることが大切です。
中学生の不登校|親がやってはいけない3つの対応
お子様が学校に行けなくなると、心配からつい「どうして行かないの?」と繰り返し聞いたり、他の子と比べたりして、無理に学校へ行くよう促したくなるかもしれません。
しかし、対応によっては不登校の状況を悪化させることがあるため、注意が必要です。
ここからは、親御さんが避けたい3つの対応を詳しく紹介します。
1、「なぜ行かないの?」と繰り返し聞く
不登校になったお子様に「どうして行かないの?」と何度も質問を重ねると、本人は余計にプレッシャーを感じてしまいます。理由がすぐに言えないことも多いので、問い詰めるような態度は心の負担を増やしてしまうかもしれません。
不安や葛藤を抱えた状態では、無理に答えを求めるよりも、話すタイミングを待つことが大切です。気持ちに寄り添い、安心できる雰囲気を作ることが、本人が少しずつ心を開くきっかけを作りましょう。
2、学校や他の子と比べる
お子様がなかなか学校に行かない状況を見て「○○ちゃんは行っているのに」といった言葉を口にしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、他の子と比較する言動はお子様の自己肯定感を傷つけることにつながりかねません。
自分だけができていないという焦りや孤独感が強まり、不登校の状況をさらに悪化させてしまうこともあるでしょう。
一人ひとり感じ方やペースは違うため、周りと比べるよりも、お子様の気持ちに耳を傾け、理解を示すことが大切です。
3、無理に登校を促す
「がんばって学校に行きなさい」と無理に促す言葉は、本人の心を締めつけてしまうことがあります。行きたくても行けない心の状態を否定されているように感じ、反発や閉塞感が強くなる場合も少なくありません。
登校は本人のペースで進めることが望ましく、まずは安心できる居場所を整えてあげましょう。
できる範囲で少しずつ社会へのつながりをもてるよう、支えていくことがポイントです。
「原因探し」よりも大切な“安心の土台”を作る方法

不登校の理由を探そうとあれこれ問い詰めることは、本人の心にプレッシャーを与えることがあります。
原因を見つけるよりも、まずは安心して過ごせる環境を整えることが大切です。
信頼関係の土台作りの方法について、詳しく見ていきましょう。
言葉よりも態度で「味方」だと伝える
「話さなきゃ」と言葉で促すより、まずは態度で味方であることを示すことが大切です。
たとえば、映画やゲームを一緒に楽しむ時間を作ることで、緊張をほぐし、安心感を伝えられます。
無理に話そうとせず、子どもが自然に話し始めるまで見守ることも大切です。
「そばにいるよ」「一人じゃないよ」と感じられるようにしましょう。そうした日々の時間の積み重ねが、言葉よりも強い安心感となり、心を開くきっかけになるかもしれません。
「日常の中の会話」から信頼関係を再構築
学校のことを直接聞くと、プレッシャーを感じることが多いため、日常的な話題を通じてゆっくり会話の糸口を見つけることが大切です。
たとえば、食事の準備中に「今日のご飯何がいいかな?」や「最近好きなテレビ番組は?」など軽い質問から始めるとよいでしょう。
会話のキャッチボールを無理強いせず、子どものペースに合わせることが信頼関係を築くカギになります。
また、否定や批判を避け、相手の話を「そうなんだね」と受け止める姿勢で接することも大切にしましょう。
できたことを認める・責めない空気づくり
不登校の期間は、学校に行けた日が少なくても、日常のなかの小さな「できたこと」に目を向けることが重要です。
たとえば、「朝起きられた」「本を1冊読めた」など、達成感を感じられたことを見逃さずに声に出して認めます。
「よく頑張ったね」「その調子だよ」と褒めることで、自己肯定感を高められるでしょう。
また、学校に行けなかったことを責めたり、焦らせたりするのは逆効果です。
怒らずに「今日は無理しなくていいよ」と受け止めることで、子どもは安心して心を開きやすくなります。
家庭が安心できる居場所と感じられるように、環境を整えていきましょう。
中学生の不登校は支援を受けるという選択肢|家庭だけで抱えない
不登校の原因は一人ひとり異なり、家庭内で解決するのは難しい場合があります。そのため、専門機関の支援を受けることを検討してみましょう。
ここからは、利用できる支援機関やサービスを紹介します。
スクールカウンセラー・自治体の支援窓口
多くの学校にはスクールカウンセラーが配置されており、心のケアや相談に対応しています。
また、自治体の教育委員会や教育支援センターも、相談窓口として機能しています。
たとえば、札幌市では「教育支援センター」があり、不登校に関する相談を受け付けています。
自主学習や軽運動の機会が設けられ、お子様が自分のペースで外とのつながりを少しずつ取り戻していけるようサポートが行われています。
不登校専門のフリースクール・オンライン支援
不登校の中学生を支える場には、「フリースクール」や「オンラインの学びの場」があります。
フリースクールでは、少人数で過ごせる安心できる空間が用意されています。
学校のような時間割にとらわれず、自分のペースで勉強したり仲間と交流したりしながら、少しずつ人との関わりの機会を増やせるでしょう。
また、外出が難しいお子様には、オンライン支援という選択もあります。家にいながら先生と話したり、簡単な課題に取り組んだりできるので、心の負担を減らしながら少しずつ前へ進むきっかけになります。
親向けの相談窓口・保護者会などの活用
不登校のお子様と向き合う中で、保護者の方も悩みや不安を抱えることもが多いでしょう。一人で抱え込まず、相談できる場を見つけることが大切です。
各自治体や教育委員会には、保護者向けの相談窓口が設けられており、子育てや不登校に関する悩みを聞いてもらえます。また、保護者同士が気持ちを共有できる「保護者会」や「交流会」が開かれていることもあります。
同じ経験を持つ方とやり取りすると、不安が和らぐこともあるでしょう。保護者の方自身の気持ちが安定すると、お子様にもあたたかな気持ちで寄り添いやすくなりそうです。
札幌市:教育支援センター
まとめ|不登校の理由が分からなくても、できることはある
中学生のお子様が不登校になったときに理由がはっきりしない場合、保護者の方は戸惑いや不安を感じるでしょう。
しかし、無理に原因を追求したり、プレッシャーをかけたりするよりも、まずは安心できる環境を整え、お子様の気持ちに寄り添うことが大切です。
言葉にできない不安や心の揺れを尊重し、焦らず見守ることで少しずつ信頼関係を築きましょう。
また、学校以外にも居場所を用意することは、お子様が自信を取り戻すきっかけになるかもしれません。
たとえば、放課後等デイサービスの利用は、学校への出席扱いになる場合もあるため、学業面でのフォローにもつながります。
札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、発達に課題のある0歳から18歳までの児童をお預かりし、「書道・学習サポート・食育・花育・感覚統合」などを通しお子様へのサポートをおこなっています。
不安を抱えた親御さんの不安をわずかでも取り除ける場になるようサポートさせて頂きます。施設の体験をしていただくこともできますので、お近くの方は、お気軽にお問い合わせください。

なごみの療育の様子はこちらからご覧になれます。
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