
4歳になると、自分の好みやこだわりがよりはっきりしてくるため、「偏食ではないか」と心配になる親御さんもいるでしょう。成長過程によるものなのか、それとも発達障害の特性によるものなのか、見分けが難しいこともあります。
4歳児の偏食の特徴やよくある悩み、家庭でできる対応策、相談先についてわかりやすく解説します。
4歳で偏食が続くのは普通?
4歳頃は自我がより強くなり、食事の好みやこだわりが目立ちやすくなる時期です。
食事の面で「このまま好き嫌いが続くのは大丈夫?」「発達に関係があるのかな?」と心配する保護者の方も少なくありません。
まずは、4歳児の食に関する疑問について詳しく見ていきましょう。

食のこだわりが強まる時期
4歳頃は、食べ物に対するこだわりが出て、色や形、味だけでなく、食べる順番や使う食器にも強いこだわりを持つ子どもが多いようです。
これは自己主張の一つであり、自分の好みや安心できる環境を求める気持ちの表れでしょう。
たとえば、同じ形の野菜しか食べなかったり、いつも決まったお皿やスプーンを使いたがったりすることがあります。
変化を嫌うあまり、食事のリズムが崩れると機嫌が悪くなることも少なくありません。
食感・温度・匂いなどへの敏感さ
食感や温度、匂いに対して敏感になることも多いかもしれません。
トマトの柔らかい感触やゼリーのぷるぷるとした食感が苦手な場合があります。
冷たい飲み物や温かいスープの温度差に不快感を示すこともあるでしょう。
また、特定のにおいに敏感になり、食べたがらないこともあります。
こうした感覚過敏は発達過程で見られる自然な現象ですが、無理に食べさせると食事に対する嫌悪感を強めるおそれがあります。
感覚の敏感さには個人差があり、同じ食材でも好き嫌いがわかれやすいでしょう。
偏食と食べムラの違いとは?
偏食は特定の食材を長期間避け、食べられるものが極端に限られる状態です。
一方で食べムラは、日によって食欲や好みが変わり、好きなものが頻繁に変わることを指します。
食べムラは幼児期に見られる成長過程の一部ですが、偏食の場合は栄養バランスが偏りやすいため、注意が必要です。
味や食感の苦手意識だけでなく、感覚過敏や発達特性が影響していることもあるでしょう。
発達障害による偏食の特徴とは

偏食は多くの子どもに見られますが、中には発達障害と関係している場合もあります。
続いて、発達障害による偏食の特徴を具体的に見ていきましょう。
自閉スペクトラム症(ASD)に多い感覚過敏
発達障害の中にはさまざまな種類がありますが、中でも自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに多くみられるのが、味覚や食感、においに対する感覚過敏です。
たとえば、トマトの独特な柔らかさや酸味、冷たい飲み物の冷たさが強く苦手で、食べることを嫌がることがあります。
また、食べるときの音や咀嚼音を不快に感じる場合も多く、食事の際の緊張や不安につながっていることも考えられます。
感覚の過敏さは個人差が大きいため、一律の対応が難しいのが現状でしょう。
このような感覚過敏は、偏食の原因となることも考えられます。
食事パターンへのこだわり(色・順番・食器など)
発達障害のお子様の中には、食事の際に色や形、順番、食器などに強いこだわりを持つことがよくあります。
食べる順番がいつも同じでないと気が済まなかったり、特定の色の食器でないと食べたがらなかったりする場合もあるでしょう。
このようなこだわりは、日常生活の不確実性や変化に対する不安を和らげるための自己防衛の一つとも考えられます。
そのため、食事の内容や提供の仕方がいつもと違うと、強い拒否反応や混乱が起こることがあります。
また、食べ物の形状や触感にも敏感で、固さや大きさを一定に保たないと食べられないケースもあり、細かく刻んだ野菜や、形が揃ったおかずを好む傾向が強い場合もあるでしょう。
偏食だけじゃない、気になる他の行動とは
発達障害の子どもには偏食以外にも特徴的な行動が見られることが多いでしょう。
言葉の発達が遅れたり、視線を合わせるのが苦手だったりすることがあります。
また、日常生活のルールや環境の変化に強くこだわり、不安を感じる様子が目立つ場合もあるでしょう。
他の子どもとの関わりに苦手意識を持つこともあり、集団の中での距離感を掴みにくかったり、遊び方が独特だったりすることがあるでしょう。
こうした行動は、子どもが安心して過ごせる環境づくりに役立つ手がかりになります。
偏食だけに注目せず、子どもの全体的な様子を把握することが適切な対応への第一歩となります。
家庭でできる偏食対応のステップ
偏食に悩む保護者の方は多いですが、焦らず子どものペースに合わせた対応が大切です。
ここでは、家庭で実践しやすい3つのステップを紹介します。
成功体験を積ませる「一口チャレンジ」法
偏食の子どもには、無理にたくさん食べさせるのではなく、まずは「一口だけ食べる」ことを目標にする「一口チャレンジ」を実践してみましょう。
一口でも食べられたら、大げさにほめることで子どもの自信を育みます。たとえば、「すごいね」「よくがんばったね」と声をかけることを心がけましょう。
さらに、シールを用意して「一口食べたらシールを貼る」など、視覚的に達成感を感じられる工夫をしてみましょう。
また、親子で料理をしたり食材に触れたりする機会を増やし、興味を持つことで、食べることへの抵抗感が薄れるかもしれません。
焦らず、子どものペースに合わせて取り組むことが成功のポイントです。親子で楽しみながら、少しずつ食事の幅を広げていきましょう。
盛りつけ・色・器の工夫で安心感を出す
子どもの偏食に不安や抵抗を感じている場合、まずは「食事の見た目」を工夫することから始めてみるとよいかもしれません。
食事が楽しくなるために、以下のポイントを意識してみましょう。
- 食材が混ざらないよう、仕切りのあるプレートや小皿で分けて盛る
- 食材の配置に規則性を考え、安心感を持たせる
- 少量ずつ盛ることで「全部食べなくちゃ」というプレッシャーを減らす
- 赤・黄・緑など、彩りを意識して明るい印象にする
- 苦手な食材の隣に好きな色の食材を添える
- 明るい色が苦手な場合はトーンを抑える
- 子どもが好きなキャラクターや動物が描かれた食器を使う
- 同じ形や色の器でそろえて安心感を出す
- 軽くて割れにくい素材の器でストレスなく食べられる環境を整える
お子様に「見た目がイヤ!」と言われる場合は、上記のように工夫することで、一口でも食べられるきっかけになるかもしれません。
少しの変化でも、毎日積み重ねることで子どもにとっての「食べる安心感」につながっていきます。
苦手な食材を“調理で変える具体例
苦手な食材は、調理法を工夫することで少しずつ受け入れやすくなります。以下の方法を参考に、日常の食事に取り入れてみましょう。
- 野菜を細かく刻んでスープやみそ汁などに入れる
- 野菜と果物を混ぜてスムージーにする
- かぼちゃやさつまいもなどは、つぶしてカレーやシチュー、ハンバーグに混ぜる
- 星形や動物の型で抜いて見た目に楽しさを加える
このように見た目や食感、調理法を変えるだけでも、子どもの反応が変わることがあります。
無理に食べさせるのではなく、工夫を重ねながら「これなら食べられるかも」と感じられるように工夫してみましょう。
偏食がある時は周囲との協力が必要
偏食があるときに一人で悩んでしまうと、なかなか前に進まないことも考えられます。
周囲に相談したり、発達検査を受けたりすることも大切です。
具体的にどのような方法があるのか詳しく紹介します。
どんな時に発達検査を考える?
偏食が気になるだけで、すぐに発達検査が必要というわけではありません。
しかし、日常生活や集団生活に影響が出ているようであれば、専門的な視点から確認してみるのも一つの方法です。
以下のような様子が見られる場合は、発達検査を考えるタイミングかもしれません。
- 特定の食材だけを極端に避け、一切受けつけない
- 食事中に強い不安や怒りの反応が出る
- 偏食に加えて、言葉の遅れやこだわり行動がある
- 家庭以外(保育園など)でも同様の偏食の行動が見られる同年齢の子と比べて極端に偏食が長引いている
発達検査を受けることで、子どもの特徴や特性がより明確になります。家庭での接し方や食事のサポートもしやすくなるでしょう。
心配な気持ちを一人で抱え込まず、検査を“判断材料の一つ”と捉えて、早めの行動につなげることが大切です。
地域の保健センター・療育センターの利用法
保健センターや療育センターでは、子どもの発達状況を専門的に見ながら、必要に応じた支援やアドバイスを受けることができます。対応例を以下にまとめました。
【保健センターの利用】
- 乳幼児健診や育児相談などで子どもの発達や偏食の相談が可能
- 保健師や栄養士などが発達の気になる点を丁寧に聞き取ってくれる
- 必要に応じて、療育機関や医療機関への案内・紹介が行われる
【療育センターの利用】
- 心理士や言語聴覚士、作業療法士などの専門職が発達評価や支援を実施している
- 感覚や行動面に配慮したプログラムを計画し、個別のケアをしてもらえる
- 家庭での接し方についての相談も受けられる
相談機関では、「少し気になるけれど、どこに相談していいかわからない」という段階でも受け入れてもらえることがほとんどです。
迷った時は、まずは自治体の保健センターに問い合わせることで、状況に応じた適切な支援につながりやすくなるでしょう。
家庭と地域の連携が、子どもの成長をあたたかく支える土台になります。
栄養士・支援者と連携するコツ
偏食や発達の悩みを抱えるとき、栄養士や専門の支援者と連携することが重要になります。
まずは、子どもの食事の状況や困っている点を具体的に伝える準備をしましょう。
食べられる食材や嫌がるもの、食事中の行動やこだわりについて記録しておくと、相談がスムーズに進むでしょう。
また、栄養士からのアドバイスを生活に取り入れる際には、無理せず少しずつ実践することがポイントです。
支援者とは定期的に情報交換を行い、子どもの変化や改善点を共有しましょう。
また、不安な時は一人で抱え込まずに、頼ることが大切です。
栄養士や支援者としっかりコミュニケーションをとり、子どもの偏食に対応していきましょう。
まとめ
4歳頃は、自己主張がさらに強まり、食べ物の好みやこだわりが一層明確になる時期かもしれません。
食事に対して「これじゃなきゃ嫌」「いつも同じ順番で食べたい」などの様子が見られ、保護者の方も戸惑うことが増えるでしょう。
ただ、強いこだわりや好き嫌いが続く場合は、発達の特性が関係している可能性も考えられます。
「どう対応したらよいかわからない」「発達のことで相談したい」と感じた時には、ひとりで抱え込まずに支援機関や専門家へ相談することを検討しましょう。
また、札幌市清田区里塚にある児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもデイサービスセンター なごみ」では、0歳から18歳までのお子様を対象に、遊びや感覚調整、食事への取り組みを組み合わせた療育プログラムを実施しています。
初めての相談でも気軽に話せる環境が整っていますので、ぜひご利用をご検討ください。偏食についても不安があれば、まずはお問い合わせお待ちしています。

なごみの療育の様子はこちらからご覧になれます。
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